2015年2月17日火曜日

私小説『きのこのマリネ』

私が作るマリネはまずい。
料理が苦手な訳じゃない。鯖の味噌煮や豆カレー、ボルシチを作るのが好きで、自慢じゃないが、良く褒められる。友人の誕生日に鳥の丸焼きを作ったこともある。
マリネはだめだ。なぜかだめだ。普段あまり使わない計量スプーンで、慎重に作っても、まずい。茄子でも、きのこでも。
マリネより苦手なものは観葉植物だ。
一番育て易いと言われているアイビーを何度も枯らしている。ちなみにミントも枯れた。
唯一健康に育っているのは、実家から連れてきた多肉植物。
しばらく存在を忘れていたのだが、冬の、酷く風が強い夜にベランダを覗いてみたら、満開に花を咲かせていた。
わっと、無責任にも心が沸き立ち、仲間が必要だろうと観葉植物を買ってきた。みるみるうちにしぼんでゆき、やがて全ての葉が落ちた。

母の日の前日、行列にまじって多肉植物を買った。
きのこのマリネを作った。
ちょっと、塩味が足りなかった。

2014.05

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