月経痛を解決するためにはじめた運動ですが、だんだんコミュニケーションの課題と重なってきたので、少し記録しておきたいと思います。
●2015年に、低用量ピルの副作用としてやたら注意書きされている血栓症が怖くて、予防のためにランニングやウォーキング、自転車通勤などを始めました。生理痛緩和のために、よもぎ蒸しにも通いました。
●2018年、効率よく汗をかくためにホットヨガスタジオに通い始めました。
●2019年、会社のストレスに対応するために、朝に通える自転車のフィットネスジムに通います。
その時は会社で企画会議のたびに泣かされていたりしたのですが、ジムに行った日には、上司や先輩の感情に振り回されなくなり、とても高い効果を感じました。
●2020年、感染症予防のためにジムが休みになりました。ゴルフのインストラクターをしている友人に誘われて、毎週ゴルフのレッスンを受けることになりました。よく行く飲み屋のゴルフコンペには、2年ほど前から遊びで参加していましたし、コロナ禍でもゴルフは自由にできる少ないアクティビティでした。
その時やっと気づいたのですが、きちんとプロにスポーツのやり方を教えてもらうのは人生で初めてでした。
なかなか不出来な生徒だったと思います。
インストラクターの友人から言われた言葉は、本当に意味がわからない言葉ばかりで、毎回大混乱していました。例えば、「膝の力を抜いて構える」と言われて、実際に力を抜いてみたら、その場にへたりこんでしまいました。膝の力を抜くと立てなくなるんですね、知らなかった。じゃあ、「膝の力を抜いて構える」とは一体全体、何を意味しているのか?「腕の力じゃなくて、下半身の回転で打つ」と言われて、ゴルフクラブを落としてしまったこともあります。
加えて、一緒にゴルフをする友人たちは運動部経験者が多く、毎回、価値観の違いに驚いていました。体罰を容認する友人たちと、言い合いのようになる場面も数々ありました。文化の違いを知るのが、楽しみでもあり苦しみでもありました。
●2021年、コロナ禍の運動不足とストレスが山のように積もっていました。もっと自分の身体を思い通りに動かしてみたい、そして、今まで全然自分に関係のない新しいことをやってみたいと思い、キックボクシングジムに通い始めます。テレビで格闘技を見たことはないし、キックボクシングの試合のルールも知らず、当然人を殴ったことも殴りたいと思ったこともない、というような状態で、入会しました。
入会した直後のことは、ジムのオーナーによく揶揄されます。「この子はちょっと教えられないかもしれない、と思った」とのこと。1時間レッスンを受けても全然疲れないほど、まったく身体を動かせなかったです。
●キックボクシングのジムに通い始めて2ヶ月ほど経って、ゴルフのインストラクターの友人に、パーソナルレッスンをお願いしました。基本的な筋トレの体勢と筋肉の動かし方を教えてもらいました。
「バービージャンプ」なんて聞いたこともないし、スクワットを何のためにするのかピンとこないですし、プランクをすると肩が痛いし、クランチの姿勢をとると首が痛くてたまりません。そういった悩みを言葉で解説してもらいました。
初心者なので、当日に悩みが解決するなんてことはありません。ですが、質問にちゃんと答えてもらえるんだと体験したことによって、その後ジムでも、インストラクターに質問することに戸惑うことがなくなりました。
お尻を突き出すとか、つま先より前に膝が出ないようにするとか、いろいろよくある注意をまずは全部守ってみようと頑張ってみました。
●2022年、連打ができるようになりました!!
それまで、10回ぐらい連続でジャブとストレートを打つと、足と手がばらばらになってしまって、うまく殴れませんでした。
それを先のゴルフのインストラクターの友人に相談したら、「リズム感がないんだよ」と言われました。私は、幼少期からいろいろな楽器を経験してきたので、リズム感には自信があったのですが...。友人曰く、メトロノームや他人の演奏に合わせるリズムではなく、自分の身体のリズムがあるのだとのこと。
ひたすらサンドバックに向き合い、体重移動を意識しながら、ぽすぽす、ぽすぽす、ぽす...と練習。ある時、閾値に達したのか、急に1分ぐらい連打ができるようになりました。やったー!なんだかとてもレベルアップした気分です。
そして、ついにクロスバイクを購入し、10kmぐらいの移動は自転車で行くようになります。
●2023年にアマチュアの試合に出るために、3ヶ月ぐらい、試合に勝つための練習をしました。全然これまでとは違う練習に驚きました。
相手が嫌がることをする、相手のミスを誘う、ということに驚きを隠せませんでした。一体何のために……と悩んだりもしました。いやまあ、試合に勝つためなんですけれどね。「アマチュアの試合に出てみたいけれど、勝ちたいわけではない」なんて言ったらブン殴られそうな雰囲気です。ヤッバイ異文化。一回試合に出てみて十分に満足しました。反動で(?)スポーツ観戦ができるようになりました。
試合の後、久しぶりに、飲み屋のゴルフコンペに参加し、ゴルフのインストラクターの友人に再会しました。「姿勢も身体の形も全然変わっていて誰か分からなかったよ!」と言われました。えへへ、嬉しい。
●2024年になって、急にキックボクシングのインストラクターに褒められています。
軽くスイッチジャンプをしているとき、「良い感じに上半身の力抜けているね」と。そんなこと褒められるのは初めてです。先日は、ミット打ちの後、「体をどう動かせばいいか分かってきたでしょう」と言われました。「今まで、足の向きや頭の位置とかいろいろ言葉で説明してきたけれど、今は、自分の体の反応で、体をどう動かせばいいか分かってきたでしょう」と!わーい!わーい!
インストラクターは、「シュシュシュシュ!バーン!ってやってみて」とか「次は、パン!パン!パン!パン!でいくからねー」「ちがう、ダンダーン!最初のダンが大事!」などと指示するのですが、3年前は私も大真面目にその発言から意味をすくい取ろうとしていました。だんだん、おかしくて笑いそうになってきますが、インストラクターは大真面目に「なぜ通じないんだろう?」と悩んでいます。今私は、少しこのコミュニケーション方法が、できるような気がしています。
健康になりたい!健康のために運動をしなければいけないと思っていた2015年には、まったく想像もできないところに来ています。これからも楽しみです。