冬のワルシャワ1人旅と、春の南ドイツ2人旅。この対比を味わいながら、まずはワルシャワの旅行を記録します。
この旅の目的は、本当にそこにポーランドがあり、人々がポーランド語を話し生活していることを確認するためでした。
なんて言ったって、私にとってのポーランドは、極東の島国に住む若者が妄想する憧れの異国、の範囲を出なかったのです。
がんばってポーランド語の勉強をしているけれど、ワルシャワに行ったらロシア語やドイツ語が主流になってたらどうしよう。ワルシャワに行ったら、ほとんどの人が南に移住した後だったらどうしよう。
実物も見たこと無いのにポーランドが好きなんて、もうこれ以上言い続けることができなくなったのです。
雪国の真骨頂は冬だよね♪ということで、クリスマスマーケットの時期に合わせて出国しました。
まず、ワルシャワのショパン空港に降り立って思ったこと。「寒い」。
100デニールのタイツを履いて、綿のレギンスを履いて、スキー用の毛糸の靴下を履いて、その上からジーンズを履いていても寒い。
耳当てのついた毛糸の帽子をかぶって、鼻までマフラーで覆っても、目の周りが寒い。痛い。
ホテルに着くまでに、すっかり骨まで冷えた私の足は、エアコンの暖房やシャワーなんかじゃ全く暖まらないのです。
冷たいベッドの中で、本当に、鞄でもいいから何か燃やさなきゃだめだ、と考えていました。
それから、ワルシャワの中心、新世界通りを歩いて思ったこと。「ツメが甘い」。
何の比喩でもなく、歩道の石畳のツメが甘い。街灯の生え際がガタガタ。
車道の舗装もがたがた。凸凹じゃなくて、ガタガタ。
3日目に、日本から持って来た分厚いスキー用の手袋をコーヒーで汚してしまい、折角なので中央駅近くのショッピングセンターで新品を買い求めることに。ポーランド人をしばし観察してそれなりに売れている黄色い手袋を、購入。そして装着。
ツメがあまーい!
編み目スッカスカじゃないか!なにこれっ!うわっ!さむっ!MADE IN CHINA!?おい防寒しろ!もっと防寒の努力をしろ!!自分たちで作ってもっと居心地良くする努力しろー!いや、むしろ私にやらせてください。舗装も編み物も初めてだけど、私、絶対現状より上手くできるから!!ホントマジで!
本屋に入ると、壁一面の本棚にもテーブルの上にも隙間なく並ぶ本。下を見ると、お客さんの靴底についてきた雪と土で、床は泥だらけ。店員さんはひたすらせっせと、モップをかけているのです。本当に、休む間もなく。
…えっ、冬は毎年雪降るんだよね。毎日モップかけてるの?えっ、ずっと?何年も…?
入り口にマットあったけど、全然吸水しないやつじゃん。もっとこう、吸水するやつ置こうよ。詳しくないからわかんないけどたぶん凄いの日本に売ってるよ。買ってこようか?
観光スポット巡りに参加して思ったこと。「白い」。
集合場所近くの公園が、積もった雪で白い。凄く広いし、木の葉っぱも無いし、ただただ、白い。
観光バスの窓に氷が張り付いていて、白い。ちなみに、バスの中からは、ほとんど何も見えませんてした。
だいたい曇天で、空も白い。日が沈んだ後も、街灯の明かりが雪に反射して、白い。
そして、旅全体の感想。「死ぬかと思った」。
初めての一人旅で、とても緊張していました。ホテルの鍵を何回も確認し、テレビをつけたまま寝ていました。
空は朝7時頃明るくなり、夕方4時には暗くなります。夜は気温もどんどん下がります。短い行動時間の中で、新市街を旧市街を、歩いて歩いて歩きまくって、暗くて歩くのが怖くなると路線バスでホテル近くまで帰りました。
観光ガイドに載っている公園は、当たり一面真っ白で、誰もいません。雪に埋もれて自分の足音さえ聞こえず、しんしんと雪が積もる中、あ、ここで死ぬかも…という考えが自然とわいてきました。
真っ白な雪に、赤い鮮血が似合うだろうなとか、そんなことも。
ああ、でもやっぱり素敵なところだわ!
大戦後に絵画をもとに再建された、本当に絵のように美しい町並み。ちょっと欠けたレンガの壁や、くずれかけた階段、歩きにくそうな石畳。屋根の無いバス停で、押し黙ってバスを待っている老若男女。車内でも、無言で寒さと振動に耐える人々。
パン屋でも本屋でも洋服屋でも露店でも、店員と商品についてあれこれと話し込むお客。真夜中に、酒屋に走ってゆく1人の男性。凍った車。
人で溢れたカフェの店内を包む温かい空気、何枚も重ねた服を脱ぐ衣擦れの音、食器がぶつかる軽い音、聞き慣れたポーランド語の挨拶、全く分からない話し声。
全部全部、読んだ小説や見た白黒映画、そのまんま!
一生懸命、全身で受け止めて、どれだけ日本に持って帰れるかしら。
私はまだ、ポーランドの一部のワルシャワの一部、ほんの一部しか知らない。
絶対もう一度行く!
私まだポーランドのこと全然分かってないんだから。
とても魅力的な記事でした。
返信削除また遊びに来ます!!