男女平等推進委員は、各自治体によって、男女共同参画推進会議、男女平等プラン推進会議とかいろんな名前で設置されているもの。
「区民公募」とか「市民公募」とかで検索したほうがいい。
実は数年前から狙っていたのだが、ウェブサイトにも自治体からのお知らせにも全然情報を見つけることができずに年月が過ぎた。
昨年たまたま自治体の施設にあるチラシ置き場で募集チラシを見つけて「やっと見つけた!」と、応募。
■住んでいる町のヤバさを認識
そもそも、私の住んでいる町はジェンダー平等とか本気で取り組んでいない。
5年前に転入するときに、役所の窓口で「今後結婚して、私の苗字が変わる」前提で説明を受けて、意味不明すぎてクレームを入れたぐらい。
2年前まで、公立小・中学校で男女別の名簿を使っていたらしい。
当然パートナーシップ条例もない。
私は、東京の渋谷区や港区、福生市、清瀬市、国分寺市などなどで、ジェンダー平等について話す活動や、女性やLGBTの物語を読もうとかそういう活動に参加してきた。そうした経験を、自分の住んでいる町に還元したいなと思うようになった。
自治体の男女平等推進課の職員との面談でそんな話をした。
そしたら、職員のひとりが「渋谷区さんは、ちょっと変わってますからね」と鼻で笑った。
最悪すぎて、やばい。
しかも、フルタイムで働いていると連絡取れなくて厳しいかも〜みたいなことを暗に言われた。感じ悪い。
■ヤバいのは自治体だけではなかった
絶対断わられるだろうなと思っていたら、受かった。
ということで、2026年4月に自分が住んでいる自治体の男女平等推進委員になった。
顔合わせ会議の資料に、毎年1回開いている講座の講師候補のリストが添付されていた。
最初の議題は、講師候補を決めることらしい。
このリストがヤバイ。
野球監督(もちろん男性)、お笑い芸人(男性、しかも今のテレビ文化に合わないのでYoutubeに移行して昭和のお笑いやり続けてる人)、テレビのコメンテーター(白人男性)、元アイドル(女性)などなど20人ほど。女性は、夫か父親とセットで名前が掲載されている。
こんな性差別的なリストをどうやってつくれるんだ。
もう正直、辞退したいと思った。
でもどんな奴がこんなリストを作ったのか見てみたいと思い、顔合わせに参加。
そこで、リーダー役の一般男性が、通常2年間のこの委員に、10年以上継続してなっているということがわかった。
そしてこの男性、当然、男女平等がなんであるかまったく意味がわかっていない。
さらには、彼が、これまでずっと、知り合いをこの委員会に誘ってきたとのこと。
え? そんなことある? 自分がなにも貢献できない会議に10年参加している?
「男女平等推進を内部から崩壊させてやろう」とかそういう意図があるんじゃないかと陰謀論めいたことが頭に浮かぶ。イデオロギーの戦いなら負けられない。
■毒を食わされているような会議
職員の「あまり男女平等の内容の講演をしたことがない方は、講師候補から外したい」という素晴らしく普通の声がけで、委員がいろいろおしゃべりする。
ひとりが「男女平等って、男の人たちのために必要なんじゃないか」という。
ものすごい高度な議論がはじまるのかと思ったら、自治体の予算を女だけのために使うのは男性から不満が出るのではないか、というお話だった。
いろいろごちゃごちゃ話したが、「こういうイベントは、男性向けに企画しても集客できない。女性が、家族の男性を連れてくることを狙おう」ということで決着した。
もう同じ机についていることすら厳しい。
講師にどんな内容を話してほしいか、という話題になったとき、
有名ドラァグクィーンのYoutubeにはまっているという方が「彼女みたいな人のために、女らしさと男らしさは必要なのだ」と発言した。
もう1人も「女性らしい美しい所作は、江戸しぐさとか、いろいろありますからね」と同調する。
他の人が、かつてゲイ疑惑で芸能界を引退した俳優の名前を出して「アッチの人の間は、彼がゲイかどうかわかってたらしいですね」とかいう。
だから、女らしさ、男らしさ、ゲイらしさはどれも素晴らしいのだと。
全てが間違っている。
この会議は、体に悪い。
その夜は、ひさしぶりに吐くまで酒を飲んだ。