2012年6月12日火曜日

月報10-DREAM THEATER

(2007年10月 某クラシックオーケストラの月報コラム)
修正 2012年06月22日

 こんにちは。夏ぐらいから強制終了・再起動を繰り返していた私のパソコンが、ついに起動しなくなりました。季節の変わり目だからですかね…まぁ、私もこの秋二回目の風邪を引いているわけですが、ずいぶん涼しくなってきましたね。落ち葉とか、いいですね。頭の中で短調の曲が再生されますね!

 というわけで、今回紹介するのはアメリカのプログレッシブ・メタル・バンド、Dream Theaterです。
 プログレッシブ・メタルとは、60-70年代のロックの拡張期に生まれた、ロックの芸術性を追及する前衛的なプログレッシブ・ロックに、ヘヴィ・メタルの重さを加えたものです。プログレッシブ・ロックは、アルバム一枚がオペラのような一つの物語になっていたり、一貫した哲学を持って作成したりする、「コンセプトアルバム」と呼ばれるものを多く作ります。転調や変拍子を繰り返し、シンセサイザーを多用する幻想的な楽曲です。このプログレッシブ・ロックに、7弦ギターや6弦ベースを取り入れ、よりへヴィなサウンドを作り上げ、プログレッシブ・メタルを確立したのが、このDream Theaterなのです。

 Dream Theater1989年『When Dream And Day Unite』でデビューしますが、プロダクションやレーベルとの不和によって、商業的な成功を収めることが出来ませんでした。1992年に2ndアルバムImages And Wordsを発売し、これがアメリカと日本で大ヒット。今でも名盤として讃えられる作品です。1994年に3rdアルバム『Awake』を発表します。このころから特に、プログレッシブ・メタルの重厚な音作りになっていきます。2007年6月には、9枚目のアルバム『Systematic Chaos』が発売されました。
 実はわたくし、初めてDream TheaterImages And Wordsを聞いたときに、当時中3だったと思いますが、なんだこりゃーと思って、全部聴くことが出来ませんでした。思わずプレイヤーを止めてしまうほど。しかし1年後、そういえば、どりーむ何とかってあったなーどんな曲だっけ?と思い、聴いてみましたが、なんだこれー情緒不安定になるわーと思い、断念。しかしそのまた1年後、発掘したMDを見てDream Theaterってどんなんだったっけ?と思い聴いてみると、後味悪いけどなんか癖になるなーと思い、だんだん間隔が縮まり、見事にはまりました。
 5thMetropolis Pt.2 : Scenes From A Memoryは、チベット仏教的思想をベースに置いた物語になっています。ある男性の前世が実の兄たちに殺された女性だったのですが、その殺人事件の全貌を明らかにすると共に、前世と現世の語りかけが涙を誘います。2枚組みの6thアルバムSix Degrees Of Inner Turbulenceは、精神病や感情の障害がコンセプトになっています。脳死問題を医者の問題として捉えたり、神の子と讃えられる人間イエスの苦悩を描き出したりしています。この2組が特に愛着のあるアルバムです。

 ですが、今回紹介するのは、3rdと4thアルバムの間に発売されたミニアルバム『A Change Of Seasons』です。このミニアルバムの表題曲は23分に及ぶ大作です。哀愁漂うメロディーがすてき!表題曲以外はロンドンのライブ音源で、すべてカバー曲です。正直、あまり聞いていないので、レヴューを控えさせていただきます。そう、今回は「A Change Of Seasons」1曲のために書くのですよ。

A Change Of Seasons 実は全部で7章に分かれているのです。
I. The Crimson Sunrise (Instrumental) 前奏ですね。ギター、ベース、シンセサイザーと音が重なっていくのがまさに夜明けですね。
II. Innocence 朝日とともに上る希望が、季節がめぐると衰退してゆく様子を描いています。硬質なサウンドが、初期らしいです。
III. Carpe Diem ささやくような口調から、叫びへと変わっていきます。過去への執着と、大切な人との離別を描いています。
IV. The Darkest Of Winters (Instrumental) 間奏です。3章の終わりのテンションを保ったまま、硬いギターが熱いです。
V. Another World メロディアスで穏やかなメロディーラインが、悲しみを前面に出し叫びに近い状態です。曲中の「he」とは神のことでしょうか。
VI. The Inevitable Summer (Instrumental) ドラムとゆっくりなベースをバックにしたギターソロがなんともジャズ的。後半はスリリングな展開です。
VII. The Crimson Sunset 急にメロディアスになります。息子をひとり残し逝こうとする父親のせりふで終わります。5thアルバムに繋がる思想があります。
Funeral For A Friend/Love Lies BleedingElton John
Perfect StrangerDeep Purple
The Rover/Achilles Last Stand/The Song Remains The SameLed Zeppelin
The Big Medley
 I. In The Flesh?Pink Floyd
  II. Carry On Wayward SonKansas
  III. Bohemian RhapsodyQueen
  IV. Lovin, Touchin, SqueezinJourney
  V. Cruise ControlDixie Dregs
  VI. Turn It On AgainGenesis

 じつはこのミニアルバム、その他のアルバムよりも評価が高かったりもする、名盤です。23分という長さを飽きさせないで聴かせる彼らはすごい。アルバムのような、ストーリーと音楽の展開の難解さも少なので、Dream Theater初心者におすすめのミニアルバムです。
 では、今回はこの辺で。みなさん、体調管理には気をつけてください。

月報9-GOTTHARD2

(2007年09月 某クラシックオーケストラの月報コラム)
修正 2012年06月22日


こんにちはー。もう夏休みは終わりですね。先日、私にとって夏休み最大のイベントに行ってまいりましたので、ご報告です。
Gotthardの紹介は既に2月に書いたのですが、新入生は初めてですので少しご説明をばGotthardハスキーボイスのヴォーカル、スティーヴ・リーの率いるスイスの国民的ハード・ロック・バンドです。2月にアルバム『LIPSERVICE』を紹介しました。7月にニューアルバム『DOMINO EFFECT』が発売され、4年ぶりに来日することが決定。中学の時からファンの私は、待ってましたと、チケット予約開始初日の朝に郵便局へ行き、まぁ、余裕でチケットを入手したわけです。本国スイスではアリーナライヴが当然な彼らでも、日本ではあまり知名度が高くないもので…。
というわけで、行ってきました!

GOTTHARD DOMINO EFFECT JAPAN TOURE 2007
9月18日(火)東京 shibuya O-EAST

80年代のサウンドを守り続ける正統派ハード・ロック・バンドなだけあって、客層も多様でした。おじさんおばさんから若者まで、小さい子供を連れて来ている人もいました。ステージの前の方で騒ぐ人も、後ろや二階席で静かにスティーヴ・リーの歌声に聞き入っている人もいたようで、まったく、このバンドの実力はすごいよ。1200人ほどのライブハウスでも、惜しみなく実力を出し切ったパフォーマンスに、プロだ…と、感動。
休憩もなく、二時間フルに使いきり、ギターソロやピアノソロをうまく使って、ステージ上で水を飲んだりせずに、実に魅せ方がうまかったです。会場も最後まで盛り上がって、前列にも割と女の人が多かったためか、マナーもきちんとしていて、素晴らしいライブでした。音楽っていいね。PVでライブの様子は結構見てるけど、まぁ、多少エフェクトとかかけて編集しているんだろうな、って思っていてけど、違かった。本物だった!うそじゃなかった!!
DOMINO EFFECT』の名が付いたツアーでしたが、前作『LIPSERVICE』では来日できなかったこともあり、その他のアルバムの曲もたくさん歌ってくれて、本当に大満足です。あー、念願だった「Lift U Up」が生で聞けてもうホントに、この夏やり残したことはありません。
ところで、スティーヴがなんとなく、ジョニー・ディップに似ていると思うんです。ほりが深くて、渋いおじさんで、がたいがよくて、日本人の若い女性に受けそうな顔をしているので、是非、日本でも人気になって欲しいです。まぁ、顔なんか見なくても、その歌唱力で心は奪われてしまいますが。歌うまー。あーもうかっこいいよ。スティーヴみたいなお父さんがほしいです。

セットリストです。括弧は収録のアルバム名です。
Master Of Illusion DOMINO EFFECT
Gone Too Far
DOMINO EFFECT
Top Of The World
HUMAN ZOO
The Call
DOMINO EFFECT
Hush
GOTTHARD
Leo Guitar Solo
Sister Moon
G.
Make My Day
G.
I Wonder
DOMINO EFFECT
Tomorrow's Just Begun
DOMINO EFFECT
One Life One Soul
G.
Let It Be
G.
Domino Effect
DOMINO EFFECT
All We Are
LIPSERVICE
Dream On
LIPSERVICE
Firedance
GOTTHARD
Mountain Mama
DIAL HARD
Anytime Anywhere
LIPSERVICE
-Encore-
Falling
DOMINO EFFECT
Heaven
HOMERUN
Lift U Up
LIPSERVICE
-2nd Encore-

Mighty Quinn
G.

 私としては、『LIPSERVICE』が一番好きです。Gotthardらしさが形成された、完全体のようなアルバムです。捨て曲がないとは、まさにこのことです。『G.』は、リストにもある「One Life One Soul」と、私が二番目に歌ってほしかった「Father Is That Enough?」を聞くためだけにもお金を出してもいいです。素晴らしいバラードです。LIPSERVICE』よりも荒削りな部分が多いですが、ワイルドな彼らの魅力を最大限に引き出しているアルバムです。あ、ちなみにアルバムを年代順に並べますと、
GOTTHARD』(1992)→『DIAL HARD』(1994)→『G.』(1996)→『OPEN』(1999)→『HOMERUN』(2001)→『HUMAN ZOO』(2003)→『LIPSERVICE』(2005)→『DOMINO EFFECT』(2007
 その他、ベストアルバムやバラード集も出していますので、是非気になるアルバムをお手にとってみてください。

月報8-SURRUOUND

(2007年08月 某クラシックオーケストラの月報コラム)
修正 2012年06月22日

いつまで続くのかこの暑さ。少しでも涼しくしたい。って、先月とぜんぜん違うこと言っていますが、爽やかに!爽やかに!
さて、今回紹介するのは、スウェーデン出身の男性4人組の爽やかロック・バンドSurroundです。今までいろんな国のバンドを紹介してきましたが、みんな英語の歌詞でした。スイス人も、ドイツ人も、英語で歌っています。というか、日本に入って来るほとんどの洋楽は英語ですよね。しかしこのバンドは、(たぶん)スウェーデン語で歌っています。ジャケットのコメントも(たぶん)スウェーデン語です。そういう意味ではとても熱いバンドです。声の高いヴォーカルのなんとも言えないエスニックな雰囲気は、やっぱり(たぶん)スウェーデン語で歌っているからでしょうか。「ツァ」とか「ユェ」とか、聴きなれない発音が…
 またコアなバンドですが、なにせ、クレジットも何もかも(たぶん)スウェーデン語で書かれているので、まったく情報が得られません。メンバーの名前もわかりません。

 そんな感じで今回レビューするのは、2006年に発売された、彼らのデビューアルバム『Varje steg du tar』。意味はわかりません。

I en annan värld 親しみやすい、懐かしいメロディなのに、何言ってんだかさっぱりわからない。なんか、英語っぽいけどなに言ってるのかさっぱりわかんない。この違和感が癖になりそうです。
Natten har en hemlighet 白いさらさらの砂浜が見えてくるようです(偏見)。メロディアスで、爽やかな曲です。
Varje droppe regn ビートを利かせた、爽やかな海を想像させる効果音が心地よい、夏ソング(かどうかはわかりません)。あ、よく考えたら、スウェーデンって寒い国でしたね。
Det bästa som har hänt このドラムとベース。この和音。心に優しい音楽です。でも何言ってるんだかわかんない。
Nu har jag börjat leva igen リズミカルでノリノリの、西部劇みたいな曲。ちょっとジャズっぽいのかな。終盤の、ドラムとヴォーカルだけになるところがショーっぽい。
Min dröm キラキラした、ちょっと昔のジャニーズが歌っていそうなポップな歌。こうゆうキャッチーな歌、嫌いじゃないですよ。
Varje steg du tar 静かなラブソングっぽい歌。ヴォーカルのハイトーンは、うーん。まぁまぁです。
Innan dagen gryr ビートを利かせたノリのよい歌。あぁ、なんか、ジャニーズっぽいんだ、このバンド。ドライブ中に聴きたいです。
Det e’ du サビの速い部分が、何言ってんだ感を強調しています。ほかの歌に比べて、子音の発音が強いような気がします。
lla dig hårt I min famn フォークの語りっぽい歌。サビの途中の、フレーズの最後に音が上がるところが、たまらない。大好き。
I give you my life このアルバムで唯一、英語で歌われている歌。ドラムが効いていて、コーラスもなんだか、Backstreet Boysぽいです。
Vad som än händer コーラスが豪華なバラード。そんなアルバムの終わり方は期待してなかったので、少し残念。いや、しっとりしたいい曲です。

 全然知られてないですが、iTunes storeで買えます。ちゃんと在庫ありです。入手しやすいし、ポップスで爽やかで万人向け。こんな曲のレビュー初めてです。が、実はこのアルバム、ジャケットが紫に近いどピンクで、ヴォーカルのお兄さんがぽっちゃりしていて、流し目でカメラ目線、なんか、こういうことは言ってはいけないとは思いますが、これゲイじゃなかったら逆にびっくり。でも曲は爽やかです。
 ものすごく適当なレビューになってしまいましたが、一度聴いてみてください。と言うわけで、今回はここまで。次回はライブのレポート書けたらいいな、と思っています。それでは。

月報7-VALENSIA

(2007年07月 某クラシックオーケストラの月報コラム)


夏といえば海!海といえば彼!Valensia!南ヨーロッパ、アメリカ西海岸の香り漂う名盤、Valensia衝撃のデビューアルバム『Gaia』。────と、春ごろから考えていたのですが、廃盤。
まじかよー。
というわけで、今月はレビューをお休みします。さすがに自重。興味ある方は、探してみてください。amazonでは手に入ります。iTunes storeでも扱ってないなんて…

とりあえず、どんな人かを簡単に説明します。スペイン出身の男性アーティストで、いわゆる天才。ヴォーカルもギターもドラムも、作詞作曲からアレンジまで一人でやってしまうマルチタレントです。例に漏れず、音楽的センスはまさに、変態。若干キモイ。いや、夏はこれぐらいぶっ飛んでいたほうがいいんですよ。世界観が広がります。
安心してください、Popsです。私がPopsなんて紹介するわけが…と思いの方もいるかもしれませんが、本当です。へビメタではありません。前衛音楽とかでもないです。
この1994年の『Gaia』、1996年の『C.O.S.M.O.S』で、なんだこりゃー的な才能を惜しみなく発揮してしまったため、その後の作品は低迷します。いろいろ大変だったのでしょう、2000年、初心に戻るという決意表明の『Gaia Ⅱ』を発売して、音楽的センスもデビューアルバムの頃に戻っていますが、やはり『Gaia』は超えられなかった。らしいので、Gaia Ⅱ』はしっかり聴いていません。
その後もこれといったアルバムは出せず、以前から大ファンであると公言していた、Queenの完全コピーアルバムを発売します。わー。ここまでするか、というほどの出来です。Queenマニアには叩かれまくっていますが、ちょっと、Queenいいよねーと思っている方は、是非Valensiaの『Queen Tribute』を聞いてみてください。ちなみに、最近のQueen復活の際に彼の名がヴォーカル候補に上がっていましたが、結局ダメでした。ファンは本物にはなれない、ということですね。

あー、やっぱり『Gaia』を聴いて欲しい。まぁ、案の定、万人受けする音楽ではないんですが…。いや、一枚ぐらい、こうゆう変態CDを持っていたほうが刺激になっていいと思いますよ。全ての曲が名曲。

2012年6月11日月曜日

月報6-MEAT LOAF

(2007年06月 某クラシックオーケストラの月報コラム)
修正 2012年06月22日

今回紹介するのは、Meat Loafという80年代から活躍しつづけ、いまだ現役のアメリカのロック歌手です。ロックが好きな人は聞いたことあるでしょうか。まるで食料のようなオジサンロッカーです。
さて、Meat Loafの名が世界に広まったのは1977年発売のアルバム『BAT OUT OF HELL』(邦題『地獄のロックライダー』)。全米・全英でチャート1位を獲得、全世界で3700万枚売れたという記録もあります。飛んで93年に第二弾の『BAT OUT OF HELL-BACK INTO HELL』(地獄のロックライダー2~地獄への帰還)を発売し、1800万枚売れたらしいです。昨年2006年に、地獄のライダーシリーズ最終章『BAT OUT OF HELL-THE MONSTER IS LOOSE』(地獄のロックライダー3~最後の聖戦!)が発売され、再び世界中でMeat Loaf旋風を巻き起こしました。が、なぜか日本ではほとんど知られていない。
Meat Loafは、俳優活動もしており、映画にもちょくちょく出ていします。そんな関係で、ミュージカルの脚本や劇中曲を作っていたジム・スタインの目に留まり、彼が長年温めていた『BAT OUT OF HELL』(地獄のロックライダー)構想を共に実現させました。このアルバムで作曲家としてのジム・スタインの名は、Meat Loafと同じく世界に知れ渡り、現在に至るまで、数多くのアーティストに楽曲を提供しています。
よくロック・オペラというジャンルが提唱されていますが(Queenもよくそう形容されます)、要は、物語があり、それに沿って曲が構成されていて、楽器演奏とセリフが合体したような作品です。Meat Loafの歌唱力・表現力も加わり、そこはかとなくミュージカル的。80年代ロックらしいと言いますか、夏に聞くのにふさわしい、大変暑苦しいロックが展開されています。どれぐらい暑苦しいかと言うと、全ての曲がクライマックスってぐらいです。

というわけで今回は、本編よりも数倍豪華で暑苦しいと評判の『BAT OUT OF HELL-BACK INTO HELL』(地獄のロックライダー2~地獄への帰還)をレヴューします。Meat Loafという名前と外見、アルバム名から倦厭する人もいると思いますが、実は、叙情的でメロディアスで、ピアノが大活躍する、とても懐かしさを感じる曲なのですよ。

I’d Do Anything For Love(But I Won’t Do That) 12分という大作ながら(?)シングルカットされ、28カ国でチャート1位を獲得した名曲。曲の終盤で登場する女性ボーカルのかっこよさに惚れ惚れします。邦題「愛にすべてを捧ぐ」
Life Is A Lemon And I Want My Money Back コーラスとの掛け合いが実にミュージカルっぽい演出。
Rock And Roll Dreams Come Through 
It Just Won’t Quit ピアノが大活躍。
Out Of The Frying Pan(And Into The Fire) ポップで明るく、ノリのいい曲。一度聞いたら忘れられない旋律です。
Objects In The Rear View Mirror May Appear Closer Than They Are 静かなバラード。泣きどころ。中盤からの盛り上がりがダイナミックで、非常に感動。終わりかたがすっきりしていて、そこがまた涙を誘います。
Wasted Youth ⑧への導入の、熱くて長い「語り」。火傷に注意。
Everything Louder Than Everything Else ⑦のセリフから、どんな暑苦しい曲が始まるのかと思いきや、ノリノリのロック。中盤のバックコーラスがずっと「Wasted! Youth!」と叫んでいるのが熱い。
Good Girls Go To Heaven(Bad Girls Go Everywhere) イントロのバグパイプの場違いさびっくりし、それに続くサックスソロにもびっくりです。え、ジャズ!?普通のロックでした。映画のサントラのような印象をうけるギターの合いの手が印象強いです。
Back Into Hell ⑨の旋律次々とが繰り返されるインストゥルメンタル。かっこよすぎます。とてもドラマティックでおなかいっぱいです。
Lost Boys And Golden Girls ①⑥⑪と、バラードを持ってくるあたりがもう、泣ける。あまりにも静かな最後。このアルバムの内容で、癖癖せずに何回も聞けるのは、この曲のおかげです。

月報5-THE RASMUS

(2007年05月 某クラシックオーケストラの月報コラム)
修正 2012年06月22日

こんにちは。最近すごく暑いですが、夏の前に梅雨がありますよ。少し早めですが、流行を先取り、雨の日に聞きたくなる音楽でも。今回はフィンランドのゴシック・ロック・バンド、The Rasmusを紹介します。
ゴシックとはあの、ゴシック建築とかゴシック美術のゴシックです。排他的で、退廃的。虚飾的な印象をうけるメロディーを取り入れた音楽です。もともと、ヘヴィ・メタルのジャンルのひとつとして、ゴシック・メタルがあります。特徴は、ゆっくりというか気だるい曲調。短調というか陰鬱なメロディー。繊細というか怖い女性ボーカル。別名、鬱メタル。フィンランドなどの北欧諸国で盛んです。バラードなどの純粋な悲しみではなく、ゴースト・呪いといった、人間の心の闇の部分を前面に出した、負のオーラを感じさせる音楽です。
そのゴシック・メタルをもっともっとすごくすごーくキャッチーにしたのが、ゴシック・ロックです。雰囲気は、中島美嘉を想像してもらうとわかりやすいですかね。ちょっと排他的で色気のない歌い方する感じです。

The Rasmus1994年、当時高校生だったオリジナル・メンバーによって結成され、96年に1stアルバム『Peep』でメジャーデビューしました。このアルバムがゴールドディスク賞受賞という大ヒットを記録し、一気にフィンランドの国民的バンドとなります。97年発売の2ndアルバム『Playboys』もゴールドディスクに認定され、フィンランド最大の新人賞を受賞します。そして、3rdHell Of A Taster』、4thInto』でダブル・プラチナ賞という快挙を成し遂げました。もちろんヨーロッパ各国でも高い評価を受け、03年に発売されたアルバム『Dead Letters』はヨーロッパでのセールスが100万枚を突破し、順調に世界へとはばたきました。

珍しく最近のメインストリームの話をしていますよ!今回はThe Rasmus 2005年に日本デビューを果たした5thアルバム『Dead Letters』をレヴューします。アルバム作成直前にメンバー全員がホラー映画にはまっていて、悪夢にうなされていたと言われています。曲名を見ての通り、まさにそんな感じです。人間の内面をえぐるような歌詞と短調の旋律に、胸が締め付けられるのは私だけではないはず。

First Day Of My Life 極端に声の響きを消しているから、愛想ないというか硬質な感じがするんですね、たぶん。ボーカル、ラウリ・ヨーネンの声がすてき。
In The Shadows 闇の中で待っていたという、一見暗そうですが、そこはかとなく希望を感じさせる歌です。曲中ずっと聞こえるベースのビートが◎。低音のあるべき姿です。
Still Standing 夜空を見ながら、死んでしまった大切な人を想う歌。ボーカルのかすれた声が、切実な思いを強調しています。あっさり終わるのは、ちょっと不満。
In My Life 「俺の生き方は俺が決める」と主張するってことは、思い通りに行ってないんでしょう。とても人間味のある歌です。
Time To Burn 過去の時間は戻ってこないという、重々しい歌です。サビのコーラスがいい。もっと荘厳にしてくれてもよかったかな。
Guilty 歌詞が重すぎて心が痛い…。私は片方のスピーカーから、声やギターが聞こえるのが好きなのですが、その効果をしつこくない程度にたくさん使っているので、うれしいです。
Not Like The Other Girls 別れた彼女を想う歌ですが、メロディアスで繊細なサビに感動。これ泣けます。
The One I Love 愛しい人のために自棄した歌。ビートを強調した勢いのあるサビで、ダンスミュージックみたいです。
Back In The Picture なんか、男の子向けのアニメソングのような印象を受けますが、実際、これからの活躍を期待させるような歌詞です。あー、デジモンにしか聞こえない(汗)。
Funeral Song 死者が生者に向かって語りかける歌。バイオリンとラウリ・ヨーネンの声がものすごく合っていて、悲しすぎる。
F-F-F-Falling(Bonus Track) ひきこもりソング。ボーナストラックで急にポップス色の濃い作品が続きます。頭の中をループする系。
If You Ever(BT) 自責の歌。最後の哀しいギターソロがたまらなく好きだ。
What Ever(BT) 助けを求めても誰にも届かない、嘆きの歌。地味に感情移入してしまう…。
Everything You Say(BT) とても疑心暗鬼になってる歌。結構ノリが良い。

 さらに、日本盤ボーナスで、①と②のビデオクリップが収録されていますが、②はThe Rasmusらしさといいますか、ゴシック・ロックらしくてすてきです。
特典いっぱいの大変お得なアルバム!質的にも国内盤がよろしいかと思われますが、人気が高くてちょっと入手困難かも…?ちなみにUSA盤はノイズで評判が悪いです。各盤によって曲の雰囲気が全然違うようで、日本盤は特にゴシック色が強めという噂です。

月報4-DARE

(2007年04月 某クラシックオーケストラの月報コラム)
修正2012年06月22日


入学とか進級とか新勧とか、授業が始まったり、新しい友達が出来たり、大変忙しい時期ですが、そんな時こそ音楽で癒されたい。そんなあなたのために、今回は少し趣向を変えてお送りします。

 今回はとあるアイリッシュ・ロック・バンドのお話を。
70-80年代のイギリスの人気ロック・バンドTHIN LIZZY。ダーレン・ワートンは、キーボード奏者としてTHIN LIZZYに途中参加します。THIN LIZZYの解散後、ダーレンを中心に新たにDAREという叙情ハード・ロック・バンドが組まれました。DAREでは、ダーレンはメインボーカル兼キーボードを担当しています。
DAREの音楽は、音の作りや音の重なりにハード・ロックの特徴がありますが、幻想的で穏やかな作品がほとんどです。キーボードの音色を前面に出し、ケルトのリズムやアイリッシュの民族楽器を多用するなど、その独特な方向性は、3rdアルバム『Calm Before The Storm』から明確になってきます。
1988年発売の1stOut Of Silence91年の2ndBlood From Stone』と、DAREは民族的なリズムの上に、ハードな音色を強めていた曲を作っていました。しかし、THIN LIZZYの再結成による実質的なDAREの活動休止、ダーレン以外のメンバー総入れ替えを実施したことによって、作品はよりダーレンの思想を強く反映したものになってゆきます。98年発売の『Calm Before The Storm』では、1stアルバムに見られた、落ち着いた大人のロック思考へ戻り、2002年に日本版も発売された4thBelief』ではよりソフトな音作りで、ケルト的な音楽を作っていきます。04年発売の5thの『Beneath The Shining Water』では前作よりも民族臭を抑えた出来と、迷いが続いているバンドですが、そんなこと感じさせない洗練された音楽に、全世界の一部が泣きました。
アイリッシュ叙情バンドDAREの4thアルバム『Belief』をレヴューします。ダーレンのやさしい歌声が、アイリッシュな音楽にマッチして、男の哀愁漂う、大人のロックを聞かせてくれます。


Silent Thunder さわやか。朝の霧を髣髴とさせるイントロから、だんだん霧が晴れていくように曲調が明るくなっていきます。一日さわやかに過ごせます。
Dreams On Fire さわやか。ティンホイッスルの音がすてきです。でも、ちょっと、エレキギターとの相性はあまりよくないかな。
White Horses(Lions Heart) さわやか。音楽に包み込まれる、という表現がぴったりです。しびれます。曲中のピッチカートが大変良い。
Belief さわやか。ちょっと悲しげな曲。ギターソロがたまらない。コスモって感じのダイナミックな曲です。
Run Wild Run Free さわやか。正直マンネリ化…とか思っていたところに、ノリのいい曲です。ピアノかっこいい。
We Were Friend さわやか。イントロの楽器は何だろう。バグパイプの一種かな。いい味出てます。ダイナミックな展開に脱力です。
Falling さわやか。ノリがいい曲です。この辺から、アイリッシュとは少し離れていきます。
Where Will You Run To さわやか。あーやっぱりハード・ロック・バンドですね、と思う音作りです。ギター大活躍の元気な曲です。
Take Me Away さわやか。しっとりした曲です。牧場の朝って感じです。牛乳飲みたくなってきました。
Promised Land さわやか。リズムを強調したノリのいい曲です。インストゥルメンタル部分が、DAREらしくないです。ちょっと不満。
Phoenix さわやか。ダーレンの歌声とアコースティックギターがよく合うこと。とても落ち着く曲です。

なんかみんな似通った曲で、あんま書く事がないんですが、大変よいアルバムです。「抑揚のあるヒーリング・ミュージック」といったところでしょうか。早く起きちゃった朝とかに聞きたいです。癒されます。