2026年6月16日火曜日

自分が住んでいる自治体の男女平等推進委員になった。

男女平等推進委員は、各自治体によって、男女共同参画推進会議、男女平等プラン推進会議とかいろんな名前で設置されているもの。

「区民公募」とか「市民公募」とかで検索したほうがいい。

実は数年前から狙っていたのだが、ウェブサイトにも自治体からのお知らせにも全然情報を見つけることができずに年月が過ぎた。

昨年たまたま自治体の施設にあるチラシ置き場で募集チラシを見つけて「やっと見つけた!」と、応募。



■住んでいる町のヤバさを認識

そもそも、私の住んでいる町はジェンダー平等とか本気で取り組んでいない。

5年前に転入するときに、役所の窓口で「今後結婚して、私の苗字が変わる」前提で説明を受けて、意味不明すぎてクレームを入れたぐらい。

2年前まで、公立小・中学校で男女別の名簿を使っていたらしい。

当然パートナーシップ条例もない。


私は、東京の渋谷区や港区、福生市、清瀬市、国分寺市などなどで、ジェンダー平等について話す活動や、女性やLGBTの物語を読もうとかそういう活動に参加してきた。そうした経験を、自分の住んでいる町に還元したいなと思うようになった。

自治体の男女平等推進課の職員との面談でそんな話をした。

そしたら、職員のひとりが「渋谷区さんは、ちょっと変わってますからね」と鼻で笑った。


最悪すぎて、やばい。


しかも、フルタイムで働いていると連絡取れなくて厳しいかも〜みたいなことを暗に言われた。感じ悪い。


■ヤバいのは自治体だけではなかった

絶対断わられるだろうなと思っていたら、受かった。

ということで、2026年4月に自分が住んでいる自治体の男女平等推進委員になった。


顔合わせ会議の資料に、毎年1回開いている講座の講師候補のリストが添付されていた。

最初の議題は、講師候補を決めることらしい。


このリストがヤバイ。

野球監督(もちろん男性)、お笑い芸人(男性、しかも今のテレビ文化に合わないのでYoutubeに移行して昭和のお笑いやり続けてる人)、テレビのコメンテーター(白人男性)、元アイドル(女性)などなど20人ほど。女性は、夫か父親とセットで名前が掲載されている。


こんな性差別的なリストをどうやってつくれるんだ。

もう正直、辞退したいと思った。

でもどんな奴がこんなリストを作ったのか見てみたいと思い、顔合わせに参加。


そこで、リーダー役の一般男性が、通常2年間のこの委員に、10年以上継続してなっているということがわかった。

そしてこの男性、当然、男女平等がなんであるかまったく意味がわかっていない。

さらには、彼が、これまでずっと、知り合いをこの委員会に誘ってきたとのこと。


え? そんなことある? 自分がなにも貢献できない会議に10年参加している?


「男女平等推進を内部から崩壊させてやろう」とかそういう意図があるんじゃないかと陰謀論めいたことが頭に浮かぶ。イデオロギーの戦いなら負けられない。


■毒を食わされているような会議

職員の「あまり男女平等の内容の講演をしたことがない方は、講師候補から外したい」という素晴らしく普通の声がけで、委員がいろいろおしゃべりする。


ひとりが「男女平等って、男の人たちのために必要なんじゃないか」という。

ものすごい高度な議論がはじまるのかと思ったら、自治体の予算を女だけのために使うのは男性から不満が出るのではないか、というお話だった。

いろいろごちゃごちゃ話したが、「こういうイベントは、男性向けに企画しても集客できない。女性が、家族の男性を連れてくることを狙おう」ということで決着した。

もう同じ机についていることすら厳しい。


講師にどんな内容を話してほしいか、という話題になったとき、

有名ドラァグクィーンのYoutubeにはまっているという方が「彼女みたいな人のために、女らしさと男らしさは必要なのだ」と発言した。

もう1人も「女性らしい美しい所作は、江戸しぐさとか、いろいろありますからね」と同調する。

他の人が、かつてゲイ疑惑で芸能界を引退した俳優の名前を出して「アッチの人の間は、彼がゲイかどうかわかってたらしいですね」とかいう。

だから、女らしさ、男らしさ、ゲイらしさはどれも素晴らしいのだと。


全てが間違っている。


この会議は、体に悪い。


その夜は、ひさしぶりに吐くまで酒を飲んだ。

2026年2月10日火曜日

普通の左翼のための、異文化コミュニケーション入門

 

1、差別主義者にも基本的人権がある


まず第一に考えたいのは「私たちはどんな社会を目指すのか」である。
これについては、どんな左翼もとても熱く、饒舌に語ってくれると期待している。
しかしどんな理想的な社会にも常に、少数派が存在する。
どんな少数派を想像するかはお任せするが、彼らは決して劣った人ではない。
「成長途中」でも「未熟な市民」でも「再教育されなければいけない者」でもない。

どんな人も、私たちと同じように基本的人権があり、
自由があり、幸せに生きることができる。

もしあなたが教育者や公務員、政治家、活動家などである場合は
この国で差別は許さない、ということをはっきり主張していただかなければ困るが、
普通の左翼の人々には、そんな義務も立場もない。


2、差別に介入する方法はいろいろある

差別的な発言を見聞きしたとき、私たちができることはたくさんある。

・その場を離れる
・相手の話に同意したり、一緒に笑ったりしない
・猫や孫の話を振って話題を変える
・水をこぼして相手の話を止める
・差別を指摘してきっぱり制止する
・相談窓口に通報する
・SNS、口コミサイトなどで報告する
・その人のいない場所で「あの話は嫌だ」という

私たちは、目の前にいる差別主義者と対話をしない自由を持っている。
それでも、差別主義者と対話をしようという、勇敢な方々に向けて書く。


3、私たちの目標

対話とは、相手と同じ考えになることではない。
相手に意見を変えさせることでもない。
どっちが良い考えか、意見を戦わせることでもない。

「私たちはいろんなことが違うけど、同じ社会で生活している」ということを認め合うこと。まず、そこに立つこと。
現状、私たちが成し遂げなければいけないことは、
「差別主義者も、日本社会の一員である」と受け入れること。
そして同時に、差別主義者に、
「お前は左翼だが、私と同じ日本社会の一員である」と認めさせること。


4、異文化は怖くない

もう一度書くが、
私たちは、目の前にいる差別主義者と会話をしない自由を持っている。
今この瞬間にも、連絡手段を絶つこともできる。でも、向き合おうと思った。
その決心に至る経験があった。その勇気がある。

差別主義は間違いだと歴史が証明している。
日本国憲法がある限り、差別主義者には、なんの正当性も与えられていない。

そう、差別主義者は怖くない。


5、自分の対話レベルを確かめる

さて、私たちはどれぐらいうまく日本語でコミュニケーションができるのだろうか。

その手がかりにしたいのが、CEFRのCan-doリストだ。
CEFRは「その言語で何ができるか」を、活動の種類とレベルに分けて記述したものであり、できそうとかできると思う、ではなく、「実際やってみて」できるかどうかで判断する。

「やり取り」という活動の中の「会話」と「非公式の議論(友人たちとの)」のレベルを一部抜粋してみた。
ちなみに「会話」は初対面の相手を含めている。レベルは、Pre-A1が最もやさしく、C2が最も難しい。

【会話】
Pre-A1 簡単なやり方で、挨拶をし、別れが言える
A1 予測可能な話題の簡単な会話に参加できる
A2 招待、提案、謝罪をすることができ、またそれらに応じられる
B1 言いたいことが言えない場合もあるが、会話や議論を続けられる
B2 相手を不用意にイラつかせたりすることなく、関係を維持できる
C1 目的に沿って、柔軟に、効果的に言葉を使える
C2 社会や個人生活全般にわたって、言語上の制限もなく、快適に、適切に、自由に会話ができる

【非公式の議論(友人たちとの)】
Pre-A1 なし
A1 明瞭にゆっくりと話しかけられれば、好きか嫌いかを交換できる 
A2 提案を行ったり、出された提案に対して反応できる
B1 信条、意見、賛否を丁寧な言葉で表現できる
B2 正確に自分の考えや意見を表現でき、説得力をもって複雑な議論を提起したり、反応することもできる
C1 抽象的で複雑でよく知らない話題でも、複雑な対話に加わることができる
C2 穏やかに不同意や批判を扱いながら、微妙な事柄について怖気づくことなく助言を与えたり、それについて議論ができる

コミュニケーションはさまざまな条件があるため、うまくできる時とできない時があるが、
ぜひやさしいものから取り組んでみてほしい。
自分のレベルを調べるためには「やってみる」しかない。


さあ、ご近所さんと挨拶をしよう!


終わり。

2026年2月1日日曜日

社民党の男性後期高齢者が、わたしの話を聞くんですっていう話。

 私は、NHKの連続テレビ小説『虎に翼』にハマったことがきっかけで、社民党で行われる憲法勉強会に参加するようになりました。

『とらつば』本当に楽しかったんだけど、わたしは知識が足りなくて、河原で古新聞を握りしめて震えているトラちゃんの姿を見ても、「願い叶ったね〜よかったね〜」とどこか他人事でした。

わたしも、トラちゃんやヨネさんたちのように、日本国憲法を読んで感動したい!
トラちゃんを抱きしめて一緒に泣きたい!
一緒に、歌って、踊って、翌日後悔するぐらい大騒ぎして、笑い合いって、喜びを分かち合いたい!
そのためには、憲法のこと、もっと知らなきゃいけない。

そんなことを、いろんな友人に話していたら、一人が「こんど社民党で日本国憲法を読む会があるから来てみます?」と誘ってくれました。「もうすぐなくなる社民党〇〇県連本部が見られます」とのこと。

護憲を掲げて約80年。県庁の目の前に堂々と構えた県連本部。この過去の栄光を手放す前に、日本国憲法を読み合うのだと。カロリーが高い。物語性がありすぎる。
トラちゃんなら、行くだろうから、私も行く。


約1年半の間、そこで出会った個性あふれる方々、完全に理解はできなくてもとっかかりが分かったかも知れない憲法のことは、本当にたくさんあるのですが、今日は一点だけお伝えしたいです。



社民党の男性後期高齢者が

わたしの話を聞くんです。




日本社会で女性として生きている方へは、これだけで十分驚きと感動が伝わってると思います。が、ちょっと詳しく説明します。社民党のおじさんたちのこと。



1、自身の男性性を前面に出さない

多くの男性は、「自分が男性であること」「自分は女なんかではないこと」を人生でとても重要視してます。これは、言葉のトーンやジェスチャー、目線など鮮やかに現れますし、ときには行動選択の理由として一番に登場します。
「ピンクの便箋なんて、男は使えないでしょー」「男は肉をたくさん食え!」というような感じ。
あの、いつでも常に自分がシスヘテロ男性だと証明し続けていなければいけない窮屈で可哀想な感じが、社民党のおじさんには、ありません。



2、相手に女性性を意識させない

多くの男性は、女性は特別に扱わなければいけない、と考えています。つまり、相手が男性か女性かで、態度を変えます。
「女子は、電話では〜でございますって言ったほうがいいよ」とか、女性が政治や投資の話をすると「よく勉強してるんですね。頭いいですね。」とか言い出します。
テキトーに相手の話に相槌打つのをやめて一言差し挟もうとしたときの、あの、どストレートな「女は黙ってろ」という全身反応が、社民党のおじさんには、全くありません。



3、武勇伝を話さない

多くの男性は、その場にいる人たちに自分の印象を強く残さなきゃいけないと思っています。とにかく己の輝かしい過去(レガシー)の話をします。
「実は国体出たことあるんですよ」とか「米津玄師と地元の同級生で、一緒にカラオケ行ったことありますよ」とか「この業界に入って40年以上になりますが……」とかを言わなきゃいけない重要なことだと思っている。
これまでの会話や今現在のお前と、何が関係あるのかさっぱりわからなくて、だからといって思考停止してヨイショするのも嫌だし、どう振る舞えばいいのかわからない、あの、謎の時間が、社民党のおじさんには、ありません。



ここまで読んで、「嘘だー!」「そんなおじさん見たことも聞いたこともないわ!笑」と思っている方もいると思います。
その気持ち、わかります。
でも、本当に居るんです。
都市伝説じゃないんです!トトロじゃないんです!
さらに驚くべきことがあります。



4、注意されたら謝る

多くの男性は、謝ったり反省したりしたら負けだと思っています。絶対に、後悔している素振りを見せません。
宮崎駿に本気で怒られてるのに「ノーダメージ」の感じでコーヒー飲んだり(©️水野シズ)、真剣に怒りを伝えてる人に対して「あなたの意見はわかりました」とか言ったりする。
こいつとこれ以上話しても無駄だわと諦めさせる、あの態度が、社民党のおじさんには、全くありません。
むしろ、こっちが怒ったり忠告したりしなくても、なんなら注意されなくても自分で反省して謝る。「僕の記憶が間違っていたら申し訳ないんだけど……」と前置きして話し始める。初対面の支持者に向かって、「参議院選挙で、大椿ゆうこを当選させることができなくて申し訳なかった」と頭を下げる。えぇーっ!!!



5、若者の話を黙って最後まで聞く

多くの男性は、目下の者の話を遮って話をします。自分の方が正しいと伝えなきゃいけない、価値ある情報を持っていると言わなきゃいけない、この若輩者を導かなければいけない、と思っている。
「言いたいことはわかるけどさ、まずあの動画見ました?」とか「ああ、そうだよ。だいたい三島由紀夫はもともと〜」とか言って、わざと相手の知らなそうな話をしてマウントを取る。
しまった!この人にこの話振っちゃいけないんだ!と後悔をじっくり味わう、あの時間が、社民党のおじさんにはありません。
どんなに経験の浅い人が話していても、どんなに社民党の党是と違う意見を持っていても、相槌を打って、静かに、最後まで話を聞いて、「そうか〜、君はそう考えているのか。君の友人たちも、そう思ってるのかな」と、さらに話させようとする。えええ、もっと話していいの!?



社民党のおじさんたちがすごい。
ほんとすごい。
そのうちのひとりに「こんなに私の話聞いてくれる年上の男性初めてですよ!」と直接お伝えしたら、「いやいや、党員や支援者の皆さんにいっぱい怒られてきましたから……もし気になることあったら、教えてください。これからも指導お願いします」とか言う。
いろんな女性が感動を伝えると、社民党のおじさんたちはだいたいそう答える。
私はこの場面を複数回目撃した。


ありがとう!
社会党、社民党の女性たち!
目の前の男性たちを変えようとして、いっぱい怒ってくれている女性たち!
ブチギレて政治から離れてしまった女性たち!
別の場所で努力し続けている女性たち!
ほんとすごいよ!
本当に、未来は変わっています!
ありがとー!!!
私も次世代のためにがんばります。

2025年12月25日木曜日

世界の多様性を発展させるための日本語

幼稚なコミュニケーションを見聞きするのがつらい。
つらすぎて、思いっきり嫌な顔をしていると思う。


例えば、スポーツジムで、
利用者が「え〜、あつ〜い」と言うと
インストラクターが
「ごめんごめん、さっきまで一人でいたからさ」とか言いながら
暖房のスイッチを切る。


久しぶりに会った人に、
天気の話みたいに
「聴きました?さっき近所でひき逃げ事件があったみたいです。
怖いですよね。犯人きっとガイジンですよ」とか言われるので
「日本人でもガイジンでも、どっちでも怖いですね」と冷静を装って応える。


行動中心主義にのっとれば、
言語を使って実際になにができるかが重要視されるので、
例えば、スポーツジムで、暑いので暖房を切ってほしいときに
「え〜、あつ〜い」と言うことで
インストラクターが自主的に暖房を切ってくれたのであれば、
それは言語運用として正しいことになるのだろうか。

今現在の日本社会において、日本人同士の世間話で、
外国人差別や排外主義的な話題を話すことは、
お互いの共通の関心事で、共感を得やすく、
さらに個々の実体験などの話題に切り替えやすいので、
初対面の会話の糸口として適切なのだろうか。

「肌がきれいだね」「細いね」は、
相手が真剣に努力して取り組んでいることであるならば、
限られた場面において、適切な褒め言葉となるなのだろうか。


そんなわけないよね〜!と思って、座右のプリントアウトである『外国語の学習、教授、評価のためのヨーロッパ共通参照枠』を久しぶりに開いてみたら、大橋理枝先生の「日本語版重版に当たって」(2008年)にこんなことが書いてあった。

最近の風潮としてこのCEFRに書かれている例示的能力記述文にのみ関心が向いてしまうことに対しては、大きな危惧を覚えざるを得ない。確かに利用するには便利な道具ではあるかもしれないが、根本的に何のために作られた道具なのかを常に念頭に置いて使うべきだと思う。釘を打つための道具として作られた金槌を他の用途に使うことは物理的にも可能であろうが、もともとは木工作の釘を打つために作られた道具であったことを忘れないでいたいものである。

CEFRが何のために作られたのかというと、それは、複言語主義・複文化主義のためである。
CEFRを作った団体の母体である欧州評議会が「ヨーロッパにおける多様な言語と文化の豊かさは価値ある共通資源であり、保護され、発展させるべきものである。」としている。これが政治的目的なのだ。

東京外国語大学の投野由紀夫先生が作ったCEFR-Jも、国際交流基金が作った「JFスタンダード」も、文科省が作った「日本語教育の参照枠」も、NHKが設計した「英語グランドデザイン」も、この複言語主義・複文化主義を達成するためのCEFRを元にしている。

つまり、日本語も、世界中にたくさんある(学習可能な)言語の一つであり、それを使って世界の多様性を発展させてゆくべき。

「こういう言語運用で、日本社会が回ってるんだからいいじゃないか」ではなく、複言語主義・複文化主義の実現に向けてどのように日本語を運用していけば良いのか、を考えたい。

そういえば、似たようなお話を生物学の先生と話していた。
「雑学止まりの本が多い」
「風変わりな生態や名前を暗記するだけで満足してしまうなんて残念だ」
「大事なのは、その知識をもってどのような社会を作り上げてゆくか、なのに。」

座右のプリントアウトがあってよかった。



2024年12月15日日曜日

シスジェンダー・ヘテロセクシャル男性問題について

 どんなにネットで騒がれていても、現場はうまく回っている。と考えていたので、今まで黙っていたが、

ネット上の酷い書き込みが現実世界に侵食している、と感じることが増えたので、考えている事を書いておこうと思う。


■「見た目でジェンダーを決めつけないように」という注意書きをよく見るが、どう実行すればいいのかわからない。
コミュニケーションは、55%が見た目やしぐさなどの視覚情報であるといわれているが、
その視覚情報を受け取っても何も考えるな、と注意されているようにも思える。
まぁ常識的に考えて、「相手を既存のカテゴリーに分けて態度を変えるような、失礼な対応をするな」ってことなのだろうと理解している。

■「ノーディベート」の意味は分かっていない。
・差別主義者と認定された人とは議論しない
・条件さえそろえば排除していい、という考え方は受け入れない
・マジョリティとマイノリティの差異について議論しない
・マジョリティが、マイノリティのことを議論の題材にすることに反対
みたいな、いろんな使われ方があると思っている。

■「生物学的女性と生物学的男性は違う」という言説についてはまず、
全ての人間は違う、という事を確認したい。
もしも、あるカテゴリーによって、能力や社会的価値に関して明確な違いがあるのであれば、
それは、そのように人間を育成する社会が問題なのである。
例えば、男性は力強くあったほうが良い(ので多少バカでも良い)とか、
女性は賢くあったほうが良い(ので人を殴る練習なんてしなくていい)といった、隠れたカリキュラムである。
「男子校出身の男の特徴」「元バスケ部の女の特徴」みたいな居酒屋談義なら、居酒屋で話すべき

■「月経がある人」とは、
トランスジェンダー男性やXジェンダーを包括するための言葉であると認識している。

■「フェミニズムはセクシャル・マイノリティと相容れない」みたいな揶揄がある。
そういう歴史はあるし、現在もそういう面はある。
私は、その原因はフェミニズムを義務教育で教えていないからだ、と思っている。

2024年現在の日本で、未だ、月経は隠すべきものであるし、
生理痛は薬で止めないほうがいいと言われるし、子宮頸がん検診はめちゃくちゃ屈辱的だし、
中絶の自由はないし、無痛分娩は普及しないし、女性の性欲は恥ずべきものだ。
それに対抗するために、まず女性たちは自分の女体を愛することから始めなければいけない。
月経やおりもののことをきちんと知ろう。
出産は苦しかった、もう二度と子育てしたくないと、言っていい。
女性だってオナニーしていい。
自分の体は、恥ずべきものでは無い。
そんなウーマンリブを、まだやっているのだ(怒)

そうやって、男のモノだった自分の身体を取り戻し、
今現在、命を救われている個人に、他のマイノリティのケアなんて望んではいけない。
むしろ、フェミニストと他のマイノリティを対立させて、得をする人たちの存在を気にしたほうがいい

■「レズビアンが他のセクシャル・マイノリティを差別している」と言われることもあるが、
差別主義者のレズビアンが、差別をしているだけである。

前提として、レズビアンにとって
圧倒的に身近なのは、トランスジェンダー男性である。
その他のセクシャル・マイノリティについて真剣に考えているレズビアンは少ないと思う。

レズビアンバーや、レズビアン向けのオフ会に参加する目的は、
自分と似ている人と出会うことや、自分の恋愛対象との出会いである。
地方自治体が主催する勉強会などと違って、
主催者は、流行に合わせて、様々な差別化の仕組みを作っている。
化粧していない人はNG、BIM22以下のみ、精神疾患を持っていない人、などの参加条件もある。
100%主催者の主観により参加できない人もいる。明文化されていない場合もある。
女性自認でも男性自認でもレズビアンでもバイセクシャルでも
ボイでもフェムでも中性でも、場違いなところに行けば「お呼びでない」と言われる。
多様な主催者の思惑や経験などによって、多様な機会が存在していれば良い。
ゲイ男性のコミュニティーだって同じでしょう?

■「女子トイレに、女装した男性が入ってくる!」という強い不安の声を聞く。
しかし、女子トイレに、女装した男性が入ってくることは何も問題ない。そんな問題は存在しない。

トイレに入るために、性別を確認されることは無い。
レディーズ服を着ている人でも、メンズ服を着ている人でも、女子トイレに入れる。
女子トイレに入ってきた人の性は不明である。そして、女子トイレから出るときも、不明である。
なぜならば、女子トイレはすべて個室だからだ。

女子トイレに、他人の性別や性器を確認する機会は、無い。
問題は存在しない。

では、誰が「問題がある」と話題提供しているのだろうか。
日本には、利用者全員の性器を確認できるトイレが存在する。男子トイレ(小便器)である。
そこから考えられることとして、「女子トイレに、女装した男性が入ってくる!」とはじめに問題提起したのは、ふだん男子トイレを使っている人なのではないか、ということだ。

加えて、女子トイレでの深刻な問題は、長時間個室に居座ったり、みんなが使うものを汚したり壊したり、盗撮カメラをつけたり、のぞきや暴行といった行動である。そして、その行為が、女性がやったことだからお咎めなし、ということはない。問題のある行動は、行為者の性別に関わらず問題となる。
ただし、これまでずっと、同性間の性暴力が軽視されてきた領域がある。男性同士の性暴力である。男性にとって、性暴力は異性間しか起きないという期間が長かった。

なので、女子トイレでのある人物の問題行動について、その人の行為ではなく性別が問題である、という発想をしやすいのは、男性なのではないか。
つまり「女子トイレに、女装した男性が入ってくる!」と熱心に騒いでいるのは、男性なのではないか、と推測している。

■「女性風呂に、女装した男が入ってくる!」という不安の声がある。
共同浴場については、2023年に厚生労働省から
性自認ではなくて身体的特徴に基づいて判断する」という通知が出ている。
LGBT法連合会などもこの答弁を支持している。
この事実を知らずに展開される議論は、すべて差別の意図のある発言である。
ルールを変えるべきとか、そういう議論ならやるべき。

■過去の実績や過去に発表した作品などの名義(デッドネーム)を、名称変更後の名前に書き換えることは反対している。
何のための記録なんだ......。
親の都合で姓が変わったり、トラブルに巻き込まれて仕方なく名義を変更した人にそんな対応していないだろう。

という冷静な気持ちとともに、
婚姻・離婚などで姓が変わった女性が
過去の実績を今の自分の実績と証明するためにどれだけ苦労してると思ってるんだ!フザケンナ!という気持ちもある。

■職場のLGBT研修の内容で、よく、服装について
「好きな服を着ていい」と背中を押すことが推奨されているが、再考を求めたい。
なぜなら、ほとんどの人が、本当に自分が着たい服を着て働いていないから。
マジョリティの従業員は、たとえ建前でも
「自分が好きな服を着て、好きな化粧をして働いていい」と肯定されたことなど無いから。
すべての人に対して「業務規定内の服を着てください」と言うべきなのではないかと思っている。

最後に、性犯罪の厳罰化、日本版DBSの導入、ジャニーズ事務所性加害問題の再発防止を強く求めます

2024年2月7日水曜日

異文化コミュニケーションの体験としてのジム

月経痛を解決するためにはじめた運動ですが、だんだんコミュニケーションの課題と重なってきたので、少し記録しておきたいと思います。




●2015年に、低用量ピルの副作用としてやたら注意書きされている血栓症が怖くて、予防のためにランニングやウォーキング、自転車通勤などを始めました。生理痛緩和のために、よもぎ蒸しにも通いました。

●2018年、効率よく汗をかくためにホットヨガスタジオに通い始めました。

●2019年、会社のストレスに対応するために、朝に通える自転車のフィットネスジムに通います。
その時は会社で企画会議のたびに泣かされていたりしたのですが、ジムに行った日には、上司や先輩の感情に振り回されなくなり、とても高い効果を感じました。

●2020年、感染症予防のためにジムが休みになりました。ゴルフのインストラクターをしている友人に誘われて、毎週ゴルフのレッスンを受けることになりました。よく行く飲み屋のゴルフコンペには、2年ほど前から遊びで参加していましたし、コロナ禍でもゴルフは自由にできる少ないアクティビティでした。
その時やっと気づいたのですが、きちんとプロにスポーツのやり方を教えてもらうのは人生で初めてでした。

なかなか不出来な生徒だったと思います。
インストラクターの友人から言われた言葉は、本当に意味がわからない言葉ばかりで、毎回大混乱していました。例えば、「膝の力を抜いて構える」と言われて、実際に力を抜いてみたら、その場にへたりこんでしまいました。膝の力を抜くと立てなくなるんですね、知らなかった。じゃあ、「膝の力を抜いて構える」とは一体全体、何を意味しているのか?「腕の力じゃなくて、下半身の回転で打つ」と言われて、ゴルフクラブを落としてしまったこともあります。
加えて、一緒にゴルフをする友人たちは運動部経験者が多く、毎回、価値観の違いに驚いていました。体罰を容認する友人たちと、言い合いのようになる場面も数々ありました。文化の違いを知るのが、楽しみでもあり苦しみでもありました。

●2021年、コロナ禍の運動不足とストレスが山のように積もっていました。もっと自分の身体を思い通りに動かしてみたい、そして、今まで全然自分に関係のない新しいことをやってみたいと思い、キックボクシングジムに通い始めます。テレビで格闘技を見たことはないし、キックボクシングの試合のルールも知らず、当然人を殴ったことも殴りたいと思ったこともない、というような状態で、入会しました。

入会した直後のことは、ジムのオーナーによく揶揄されます。「この子はちょっと教えられないかもしれない、と思った」とのこと。1時間レッスンを受けても全然疲れないほど、まったく身体を動かせなかったです。

●キックボクシングのジムに通い始めて2ヶ月ほど経って、ゴルフのインストラクターの友人に、パーソナルレッスンをお願いしました。基本的な筋トレの体勢と筋肉の動かし方を教えてもらいました。
「バービージャンプ」なんて聞いたこともないし、スクワットを何のためにするのかピンとこないですし、プランクをすると肩が痛いし、クランチの姿勢をとると首が痛くてたまりません。そういった悩みを言葉で解説してもらいました。

初心者なので、当日に悩みが解決するなんてことはありません。ですが、質問にちゃんと答えてもらえるんだと体験したことによって、その後ジムでも、インストラクターに質問することに戸惑うことがなくなりました。
お尻を突き出すとか、つま先より前に膝が出ないようにするとか、いろいろよくある注意をまずは全部守ってみようと頑張ってみました。

●2022年、連打ができるようになりました!!
それまで、10回ぐらい連続でジャブとストレートを打つと、足と手がばらばらになってしまって、うまく殴れませんでした。
それを先のゴルフのインストラクターの友人に相談したら、「リズム感がないんだよ」と言われました。私は、幼少期からいろいろな楽器を経験してきたので、リズム感には自信があったのですが...。友人曰く、メトロノームや他人の演奏に合わせるリズムではなく、自分の身体のリズムがあるのだとのこと。
ひたすらサンドバックに向き合い、体重移動を意識しながら、ぽすぽす、ぽすぽす、ぽす...と練習。ある時、閾値に達したのか、急に1分ぐらい連打ができるようになりました。やったー!なんだかとてもレベルアップした気分です。
そして、ついにクロスバイクを購入し、10kmぐらいの移動は自転車で行くようになります。

●2023年にアマチュアの試合に出るために、3ヶ月ぐらい、試合に勝つための練習をしました。全然これまでとは違う練習に驚きました。
相手が嫌がることをする、相手のミスを誘う、ということに驚きを隠せませんでした。一体何のために……と悩んだりもしました。いやまあ、試合に勝つためなんですけれどね。「アマチュアの試合に出てみたいけれど、勝ちたいわけではない」なんて言ったらブン殴られそうな雰囲気です。ヤッバイ異文化。一回試合に出てみて十分に満足しました。反動で(?)スポーツ観戦ができるようになりました。
試合の後、久しぶりに、飲み屋のゴルフコンペに参加し、ゴルフのインストラクターの友人に再会しました。「姿勢も身体の形も全然変わっていて誰か分からなかったよ!」と言われました。えへへ、嬉しい。

●2024年になって、急にキックボクシングのインストラクターに褒められています。
軽くスイッチジャンプをしているとき、「良い感じに上半身の力抜けているね」と。そんなこと褒められるのは初めてです。先日は、ミット打ちの後、「体をどう動かせばいいか分かってきたでしょう」と言われました。「今まで、足の向きや頭の位置とかいろいろ言葉で説明してきたけれど、今は、自分の体の反応で、体をどう動かせばいいか分かってきたでしょう」と!わーい!わーい!

インストラクターは、「シュシュシュシュ!バーン!ってやってみて」とか「次は、パン!パン!パン!パン!でいくからねー」「ちがう、ダンダーン!最初のダンが大事!」などと指示するのですが、3年前は私も大真面目にその発言から意味をすくい取ろうとしていました。だんだん、おかしくて笑いそうになってきますが、インストラクターは大真面目に「なぜ通じないんだろう?」と悩んでいます。今私は、少しこのコミュニケーション方法が、できるような気がしています。

健康になりたい!健康のために運動をしなければいけないと思っていた2015年には、まったく想像もできないところに来ています。これからも楽しみです。

2023年12月27日水曜日

小劇場演劇のススメ

2023年の舞台観賞納めは俳優座の『閻魔の王宮』でした。
来年は、より多くの方に演劇を観てほしいので、初めて鑑賞する方へのご案内を記しておきたいと思います。
下記のような目次立てで書いていきます。

1、チケットの値段と買い方
2、観る演目の決め方
3、来場者アンケートに答えよう!
4、なぜ私が舞台鑑賞をすすめるのか
5、今年私が見た演劇リスト

ちょっと長過ぎかな......まあ一応記録しておきます。

フォトスポットもあるよ


1、チケットの値段と買い方

2023年の私が観た舞台の中で一番高額なチケットは、『ある都市の死』の11,000円でした。
2023年の私が観た舞台の中で一番安価なチケットは、『イサク殺し』の2,000円でした。
『ある都市の死』の値段が高い理由は、舞台の上にグランドピアノがあり、プロのピアニストがずっと生演奏していたのが一番の理由だと思います。ほぼコンサートですね。大満足な観劇体験でした。『イサク殺し』はほんとうに、破格!こちらは後日オンライン配信が決まっていたことと、イスラエルがパレスチナへ宣戦布告し、非常に重要度の高い演劇だということが理由かと思います。

だいたい私が行く小劇場のチケット代は、4,500円から5,000円の価格帯が多いです。

そして最近は、「初日割」や「夜割」というのがあります。
初日割」は、公演の批評や感想が出まわる前に観劇する人へのサービスです。初日は、俳優さんたちの緊張が客席まで伝わって来て、私はとても大好きです。
そして「夜割」は18:30とか19:00に始まる回です。ソワレですね。現在の小劇場の観客はほとんどが高齢者だ、と断言してもいいと思います。なので、昼公演の方が混んでおり、平日夜の方が空席があるのです。そして、終演が21時を過ぎてしまうような会は、特に、空席が目立ちます。なので、夜の割引を設けているところが多いです。
とはいえ、500円ぐらいの割引だと、チケット発券の際のシステム利用料(1枚220円)や発券手数料(1枚110円)で半分以上なくなってしまうのですが……。

チケットの買い方は、インターネットのサービスだと「チケットぴあ」「カンフェティ」などいろいろあります。ネットで購入も便利なのですが、先に述べたシステム利用料や発券手数料などに納得できない気持ちがありますし、何よりもユーザーインタフェースがあまりよくないので、脳みそに負担がかかります。とにかく、スマホで購入はかなり難易度が高いです。
私が、初心者の方におすすめなのは、劇団に直接電話する方法です。電話は早いです。前の方の見やすい席の用意があったり、当日券も購入できる可能性もあります。電話でチケットを確保すると、観劇当日、会場で現金でお支払いすることが多いです。


2、観る演目の決め方

せっかくなら良い作品を観たい!と思っている方が多いと思いますが、そういう方は「再演」の演目を選ぶといいと思います。
かつて上演して好評だった作品や賞を受賞した作品が、だいたい同じ劇団やだいたい同じスタッフで上演されるので、おもしろさが保証されていると思っても良いと思います。
しかし、社会の価値観の変化が著しく、情報の更新速度が驚くほど速い現代で、過去の作品を見るリスクはあります。2010年代作の作品でも、「古いな...」と感じることがあります。もういっそのこと、1980年代ぐらいの作品が良いと思います。

もちろん、好きな俳優がいたら、追っかけるのも大正解です!
ちなみに私は、鈴木杏さん、矢野陽子さん、ウエンツ瑛士さんが出演する舞台演劇はなるべく全部見たいな〜と思っております。

大変な問題は、次に何を見るべきか、というところです。
ひとつ好きな作品を見つけられたら、同じ脚本家、あるいは同じ劇団の作品を見るのがよいと思います。
もちろん舞台芸術には俳優とか演出家とか衣装さんとか、音楽とかいっぱいスタッフがいらっしゃるのですが、似たような好みの感じの作品になるのは、脚本家と劇団の影響が大きいかなと思います。更に、劇団の会員とかになると、チケットが安く手に入ることもあります。
ちなみに私の最初の箱推しは文学座アトリエ公演。推しの脚本家は中島淳彦です。最近は、劇団俳優座に愛着があります。脚本家は、今年見た『いつぞやは』が素晴らしかったので加藤拓也さんを追っていきたいと思っています。

追記:あらすじを読んで、作品の内容を想像して観る作品を決めるのは、やめましょう。チラシに書いてある文字列や、ホームページの煽り文は、内容とほとんど関係のないことが多いです。小劇場演劇の内容を予想するのは、不可能なので諦めてください。

3、来場者アンケートに答えよう!

舞台を観て気に入っても気に入らなくても、来場者アンケートには是非回答してください。コジャレた感想なんて書こうと思わなくていいし、論理が破綻していてもよいと思うのです。
これは私が長年商品を作る仕事をしているので、是非、お願いです。私は約10年メーカーに勤めていますが、商品を褒める電話がかかって来たのは、2回です。10年で、2回です。クレームの電話やメールは、毎日のように届きます。
ちなみに、SNSで感想を投稿しても、基本的には、本当に届けたい相手には届かないと思ってください。高層マンションの生垣に手紙置いておくぐらいの感じです。気づかないことのほうが多いです。それに、圧倒的に直接届くクレームが多いので、わざわざSNSでエゴサなどしないという方も多いと思います。これ以上、へこみたくないので!クレーム入れるぐらいの熱量で褒めてください……。

閑話休題。

来場者アンケートは、演劇を芸術として完成させるための1ピースだと思っています。
演劇は、複数の人間が同じ時間に同じ場所に居合わせないと成立しない芸術です。舞台上で、自分がこの時間この場所で成し遂げようとしていることを来場者に暴露し続けている俳優さんたちへの敬意として、「私が、この時この場所にいたよ!」と応答すべきと考えています。良き消費者、良き鑑賞者になれ!


4、なぜ私が舞台鑑賞をすすめるのか

私が演劇を観はじめたのは、職場の先輩に誘われたからです。先輩は、演劇だけでなく、お能や寄席も教えてくださいました。
最初の1年ぐらいは、「チケットあげるから観に行こう」と誘われたのですが、正直乗り気ではありませんでした。中学生の時、学校行事で強制的に見せられた演劇『十二人の怒れる男』が、物語がよくわからなくて途中で寝たし、舞台上で叫んでる大人の男性が怖かったという思い出しかありません。実際先輩に誘われた作品を観ても、どこをどう楽しめば良いのか分からないときがありました。そんな会社のお付き合いとして何度も観に行くうちに、少しずつ自分好みの舞台に出会い、ぽつぽつと1人でも舞台を観に行くようになりました。と言っても、約10年、先輩の素晴らしい見識と鑑賞眼におんぶに抱っこで、ずっと毎週のように2人で観劇していました。

しかしながら、その先輩が今年の9月に倒れてしまいました。いまだ連絡が取れず、噂では入院が続いているそうです。

良い舞台のあとの、美味い酒が大好きな先輩です。新宿、池袋、下北沢、六本木には2人でよく行く居酒屋があり、終電まで2人で余韻に浸っていました。
9月以降は、1人で観て、1人でとぼとぼ帰宅しています。

次は、私が誰かを観劇に誘う番なのだ!と覚悟を決めて、この記事を書いています。


5、今年私が見た演劇リスト 

アリバイ的に記します。
チケットの半券をもとに記しています。漏れていたらごめんなさい。
そして、脚本家大事とか言ってるのに脚本家のお名前を書いてないの、すみません。

劇団文化座『炎の人』@俳優座劇場
HOTSKY『ほおずきの家』@座・高円寺
劇団番外地『暮らしなずむばかりで』@ザ・スズナリ
劇団青年座『時をちぎれ』@東京芸術劇場シアターウエスト
青年団『日本文学盛衰記』@吉祥寺シアター
劇団民藝『ノア美容室』@紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA
劇団俳優座『対話』@俳優座スタジオ
COCOON PRODUCTION『アンナ・カレーニナ』@シアターコクーン
東京タンバリン『時間よ止まれ』@小劇場B1
俳優座劇場プロデュース『聖なる炎』@俳優座劇場
劇団東公園『歌え!悲しみの深き淵より』@俳優座劇場
文学座アトリエ公演『挿話(エピソオド)~A Tipical Fantasy~』@文学座アトリエ
新国立劇場『エンジェルス・イン・アメリカ』@新国立劇場小劇場
tsp『カスパー』@東京芸術劇場シアターイースト
ゆうめい『ハートランド』@東京芸術劇場シアターイースト
プレオム劇『妄想先生』@ザ・スズナリ
イキウメ『人魂を届けに』@シアタートラム
劇団道学先生『宇宙の旅、セミが鳴いて』@新宿シアタートップス
劇団扉座『Kappa〜中島敦の「わが最遊記」より〜』@座・高円寺
新国立劇場シリーズ未来につなぐもの『楽園』@新国立劇場小劇場
劇団俳優座『この夜は終わらぬ。』@俳優座スタジオ
ワンツーワークス『R.P.G. ロール・プレイング・ゲーム』@赤坂RED/THEATER
ピンク・リバティ『点滅する女』@東京芸術劇場シアターイースト
文学座『夏の夜の夢』@紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA
劇団チョコレート『ブラウン管より愛をこめて』@シアタートラム
劇団俳優座『ボタン穴から見た戦争』@俳優座スタジオ
serial number『スローターハウス』@東京芸術劇場シアターイースト
劇団印象『犬と独裁者』@駅前劇場
みそじん『黒星の女』@吉祥寺シアター
劇団東京ヴォードヴィルショー『その場しのぎの男たち』@紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA
こまつ座『闇に咲く花』@紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA
劇団集団円『ヨーコさん』@吉祥寺シアター
劇団昴公演『親の顔が見たい』@東京芸術劇場シアターウエスト
木下歌舞伎『勧進帳』@東京芸術劇場シアターイースト
劇団俳優座『ラフタリーの丘で』@俳優座スタジオ
シスカンパニー『いつぞやは』@シアタートラム
名取事務所『ホテル・イミグレーション』@新宿シアタートップス
タカハ劇団『ヒトラーを画家にする話』@東京芸術劇場シアターイースト
トム・プロジェクト『沼の中の淑女たち』@赤坂RED/THEATER
宝塚歌劇花組公演『鴛鴦歌合戦』@東京宝塚劇場
TBS「VR能 攻殻機動隊」@東京建物ブリリアホール
国際演劇協会『イサク殺し』@シアター風姿花伝
劇団青年座『同盟通信』@新宿シアタートップス
亜細亜の骨『ミラクルライフ歌舞伎町』@サンモールスタジオ
ala Collection『フートーボールの時間』@吉祥寺シアター
玉造小劇店『お祝い』@中野ザ・ポケット
wonder×wonder『未踏』@座・高円寺
文学座『逃げろ!芥川』@紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA
燐光群『わが友、第五福竜丸』@座・高円寺
新国立劇場演劇研修所『君は即ち春を吸ひこんだのだ』@新国立劇場小劇場
劇団民藝『巨匠』@紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA
アミューズ『ある都市の死』@草月ホール
KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『ジャズ大名』@KAAT神奈川芸術劇場
劇団俳優座『閻魔の王宮』@俳優座劇場

2023年9月19日火曜日

「本当に好きなもの」や「個性」を見つけて伸ばすことについて

 小学生と中学生を子育て中の親御さんから、
「うちの子には、本当に好きなものが無いようだ」
「仲の良い友達の趣味と、合わせているだけのようだ」
という相談を受けました。
あまりに衝撃を受けたので、この1年ほど、このことを考えています。

ちょっとそのことについて整理して、
どうにかして親御さんに伝えたいな〜と思ったので、記しておきます。

確かに、最近の子育てのテーマは、
個性、主体性、自主性、好きなこと、自分で考える、
才能、強み、得意なこと、興味のあること、本当にやりたいこと......、などなど。
特別でオンリーワンの人間になることがとても重要視されているようです。

個人的には、
子供は、親や周囲の大人の行動をよく観察していて、
大人の真似をしたり、大人たちが強く反応してくれることをするので、
本当の個性や真にやりたいことなど、無い、と考えています。
というのも、多くの大人もそうだと思うからです。

読書会を10年間やってきて、ぼんやりと思っていることなのですが、
ほとんどの人は、心から大好きな小説を見つけるために、
未知のジャンルの本や、好きじゃないかもしれない作品を手に取るなどということはしません。
数少ない小説を読む大人の中でも、大部分の人が、
本屋大賞を取った作品の中から興味ある小説を選んで読んだり、
同僚や友人の間で話題になっているドラマを追いかけて見たり、
金曜ロードショーでやっている映画を見たり、
巨大な美術館でやっている展覧会を見に行ったりして、
それなりに楽しんで、しっかり満足して、次も同じようなことをするのです。
それは、とても充実した生活だと思います。

流行っている漫画を読んで、帰宅時間に放映してるドラマやスポーツ中継を見て、
行列ができているお店で人気のメニューを注文して、
感じの良い会社で働いて、
異性と恋愛して、異性と結婚して、子育てして、親のお世話もして、
多くの人は幸せに生きているのだと思います。

ヤマシタトモコ『違国日記』を読んで、改めて、
「何者かになれ!」という社会の圧力は強烈なのだな、と認識しました。
この作品の粗筋をざっくり説明すると……
両親が交通事故で亡くなるという
強烈な特徴を背負ってしまった中学生の田汲朝が、母の妹の高代槇生に引き取られます。
槇生は、命を削るようにして小説を書くという、個性が爆発している作家。
朝は、悲惨で特異な経験からユニークな人間になれるんじゃないかとか、
自分の本当にやりたいことを見つけられたら才能が開花するんじゃないかとか考えて
バンドを組んで見たり詩を書いてみたりしていますが、特に何も起こりません。
過去の経験と向き合ったり、今の自分の立ち位置を客観的に観察したりして、
しっくりくる自分の人生の物語を見つけようと、苦悩します。

他にも、魅力的な友人たちも登場するのですが、現時点の私が要約するとこんな感じです。

もしかして、「本当にやりたいことを見つける」がテーマの作品は多いのでしょうか。
失恋したり、会社をクビになったり、配偶者が亡くなったり、
異世界に転生したり、悪女の企てによって聖女の職を奪われたりして、
その先で、本当の自分を見つけて、幸せをつかむストーリー。

やっぱり、違和感があるのは、
誰にでも理解しやすかったり、誰かに共感してもらえたり、
過去と現在の辻褄が合っていたりする、
そういう人物像とライフヒストリーは、個性とは真逆のものだと思うのです。

それは、「自己ブランディング」です。広告です。商業活動です。
セミナー講師やTikToker、活動家など、
制作物やサービスではなくて、その人がその人であることを売っている方々が取り組むことです。
もしかしたら現代では、作家もまた、自己ブランディングが必要なのかもしれません。

リーヴ・ストロームクヴィスト『21世紀の恋愛』では、
恋愛までもが資本主義に取り組まれてしまい、
国家や社会が、より市場価値の高い恋愛をするように煽るので、
好きな人を商品のように選択できるようになってしまったことを、痛烈に批判しています。

今は、個性がいちばんの市場価値なのかもしれませんね。

 

(写真は、先日行った行列のできているアイス屋さんです。)

2023年5月28日日曜日

1週間のファスティングプログラムの記録

格闘技の試合に出るために減量をしています。
2023年11月から、7ヶ月で10kgの減量をしました。
しかし直前の1週間、
ストレスなのか寝不足なのか、原因はいろいろあると思いますが、
増えてしまった体重が全然もどらない。

最後の手段、ファスティングをすることにしました。
せっかくなので記録しておきたいと思います。

計画的な断食は人生で2回目です。
随分前に3日間の断食をして、とても体調が良く意識がすっきりしたので、
今回もそれに準じて行ってみることにしました。
その時は、ファスティング講師を目指している知り合いに誘われてやったので
指定された酵素ドリンクの購入が必要だったのですが、今回は、使わずにいきます。
そもそも胃腸を休めるという名目があるのに、
酵素ドリンクは飲んで良いという特例が腑に落ちていないのと、
酵素ドリンクって結局何なのだ?と怪しんでいるのと、
前回の断食中、酵素ドリンクを随分余らせてしまったというのが、この判断の理由です。

!注意!
私は、1週間後に格闘技の試合のために
規定体重52kg以下にしなきゃいなきゃいけない(リバウンドOK!)という、
非常に稀で異常な状況に置かれています。
そういう特殊事情のない方は、絶対に真似しないでください。


●準備食1日目 朝体重53.5kg
【規則】
・肉、魚、卵、脂などの動物性の食品を食べない
・カフェインを摂取しない

【食べたもの】
Soup Stock Tokyoの緑の野菜のミネストローネ
オートミール、くるみ、甘栗
豆腐、納豆+出汁(うっかり鰹出汁)
トマト、たまねぎ、MCTオイル、ぬか漬け、ところてん
みかん、りんご、スパイスティー(きび砂糖入り)

【感想】
外出時間が長くて、喉が渇いている時間が長くなってしまいました。
そして、市販のぬか漬けと甘栗の味が濃かった。反省しています。

●準備食2日目 朝体重53.8kg
【規則】
・肉、魚、卵、脂などの動物性の食品を食べない
・カフェインを摂取しない

【食べたもの】
オートミール、くるみ
豆腐、納豆、セブンイレブン山芋入り豆腐つくねのサラダ(うっかり鶏肉と卵入ってた...)
セブンイレブンおからと枝豆の豆腐バー
みかん、りんご、スパイスティー(きび砂糖入り)

【感想】
昨夜の塩分が効いている。やっぱり浮腫んでしまった...。
あと、やっぱり外出の予定が長いとうまく食べるものを選べないですね。
18時には最後の食事を取ってジムへ。
運動後は食欲を感じにくくなるので、気持ちよく就寝。
朝食前に30分の運動+ジム2時間+銭湯。

●絶食1日目 朝体重52.5kg
【規則】
・水、お湯、カフェインなしのお茶のみ

【食べたもの】
スパイスティー(きび砂糖入り)、ミントティー、レモン果汁

【感想】
前夜から雨が降り続き、寒い日だった。久しぶりにストーブをつける。
昼ごろ、ぐーぐーお腹が鳴っている。
塩分は全然摂取してないけれど、頭痛とかはない。
今日は夜更かしの予定があるのですが、そういうときはいつも翌朝体重増えているので、
期待しないように心の準備をします。
夜、冷たい水を飲みすぎたのか、入眠しずらい。
ジム1時間+銭湯。

●絶食2日目 朝体重53.2kg
【規則】
・水、お湯、カフェインなしのお茶のみ

【食べたもの】
スパイスティー(きび砂糖入り)、ミントティー、レモン果汁

【感想】
午前中は空腹が強いのと、筋肉痛で体が重い。
昼休憩にジムに行ってスッキリ!
普段は硬水は苦手で飲まないんだけど、
外出先で飲んだevianがとても美味しく感じる。
やっぱりミネラル大事ですね。
ジム1時間。

●絶食3日目 朝体重51.4kg
【規則】
・水、お湯、カフェインなしのお茶のみ

【食べたもの】
スパイスティー(きび砂糖入り)
梅干し(材料が梅と塩だけのもの)、黒糖

【感想】
すごく深く寝れたと思う。
筋肉痛なのか、ファスティングのせいなのか、めちゃめちゃ体がダルい。
あまりにも力が出ないので、昼に、梅干しを潰してお湯にいれて飲む。
美味しさに、唾液が、顔からも首の裏からもどばーっと出る感じがする。
全部飲み終わる前に、5分ほどでめっちゃ元気になる。
銭湯で立ちくらみを起こしてしまい、健康に悪いことしてるなぁと実感。
帰宅して、スパイスティーに黒糖を入れて飲みました。
今日も夜更かしの予定があるので、心の準備をします。
朝ストレッチ1時間+銭湯。

●回復食1日目 朝体重51.4kg
【規則】
・肉、魚、卵、脂などの動物性の食品を食べない
・カフェインを摂取しない
・朝食は、梅流し(写真のやつ)
・固形物は避ける

【食べたもの】
大根、梅干し(材料が梅と塩だけのもの)、味噌
たまねぎ、キャベツ、にんじん、生姜、豆乳
スパイスティー(きび砂糖入り)
豆腐、大根おろし、空豆、緑茶(うっかり)



【感想】
すごく深く寝れました。
昨日のだるさはやっぱり筋肉痛だった。背中をしっかりストレッチする。
昨夜、高級味噌を頂いたので、とっても嬉しい。
朝食後、トイレにこもる。体の中って本当に不思議だな、とか思う。
ランチに、野菜のポタージュをたくさん作った。味付けなしで美味しい。
思ったより一度に少しの量しか食べられなくて、しょんぼり。
夜はとても元気。やっぱり食べ物大事。

●回復食2日目 朝体重51.3kg
【規則】
・肉、魚、卵、脂などの動物性の食品を食べない
・カフェインを摂取しない
・柔らかい食べ物を食べる

【食べたもの】
白米、豆腐、豆乳
たまねぎ、キャベツ、にんじん、舞茸、生姜、
甘夏、みかん、麦茶

【感想】
今日もすごく深く眠れた。
昨日運動していないのが気になるけれど、体重維持できて一安心です。
はじめてストレッチポールを使って筋膜リリースをしたけれど、
めっちゃ気持ちいいので今後も続けます。
ストレッチ1時間+銭湯。

●ファスティング終了! 朝体重50.3kg
どうにか、余裕を持って計量に向かえます。よかった。
試合が始まってもいませんが、すでに満足感と充実感を感じています。

自分の身体の反応と向き合う時間は楽しかったです。
しかし、むくみや便秘などで変わりやすい
体重という数字の目標がストレスだったことは事実です。
本当は、断食なんてやらないですむなら、もちろんそっちの方がいいです。

2022年8月3日水曜日

『犬王』を見て、国立ハンセン病資料館に行った

『犬王』を見ました。
うーん、古い。全体的にダサい。
特に、身体障害者に関する描写に、心がざわざわする。


私は、ドリアン助川の『あん』がとても大好きで
小説を読んで、映画版を見て、ミュージカル版も鑑賞していまして、
特に小説は、もっとも友人・知人たちへ贈っている書籍です。
江戸川乱歩や中井英夫の作品の中、
『もののけ姫』に登場している、ハンセン病患者の描写にも親しんでいました。

だからこそ、『犬王』でのあまりにも表面的な障害者の描写に驚きました。
「フリークス(奇形)扱いかよ!」と思いましたが、
私は、決して、ハンセン病のことを知ろうと勉強したことがなかったので、
どういった点が私にそう思わせているのか、説明できませんでした。

そして、『犬王』を見た1週間後に、初めて国立ハンセン病資料館を訪れました。
すぐに、不快感の正体に気づきました。

『犬王』のあらすじをざっくり説明しますと、
平家の呪いによって盲目になった琵琶奏者と異貌に生まれたダンサーが、
インディーズバンドを組み、路上ライブを重ね、
子供や大人、身体障害者や健常者から分け隔てなくく支持され、
のしあがってゆくという話です。

身体障害者も、健常者と同様に音楽を楽しむことができるという描写が、私の違和感の原因でした。
手足のない人や、ハンセン病によって指や鼻がゆがみ、髪が抜けてしまった人は、
ただ、その見た目でわかる不自由さだけで苦しんでいるわけではありません。
特にハンセン病は、皮膚の知覚が鈍くなるという症状があます。
気づかないうちに裂傷や火傷ができて、膿んでしまったり、
汗が出にくく、体温調節がうまくできなくなります。

健常者向けにデザインされた町やインフラ、社会制度も大きな障害です。


『犬王』の結末では、後天的に盲目になった琵琶奏者は、
琵琶法師のコミュニティーも名前も捨てて新しい音楽を求め、反体制として処刑されます。
先天的に異貌に生まれたダンサーは、
ライブを重ねるたびに呪いが解かれ、やがて健常者となり、時の政権の寵愛を受けます。
その寵愛もいずれなくなるということは、物語の外では明白なわけですが…

身体の障害が物語の重要な要素である作品なのに、障害者に対しての愛情も尊敬も感じませんでした。

2022年6月28日火曜日

対話の実践における問題

最近やっと、対話がうまくいっていない状況がよく認識できるようになってきた。

長い間、自分の問題でいっぱいいっぱいで、
どうにかこうにか頑張って1日1日生きてきたので、
友人との関係とか、友人が何を考えているかとか、気にする余力もなかった。

最近は、月に1回の産業医のカウンセリングのみで、かなり落ち着いている。
仲の良い友達だけでなく、今一緒にいる人たちと心地よく時間を過ごそうという心の余裕も出てきた。

ただ、成人してから知識としてコミュニケーション方法を勉強したので、経験をうまく理解できないことも多い。
だけれども私は、素敵な友人たちに恵まれて、言語化する訓練ができた。
これまでの、解釈するのに時間がかかった経験を記したいと思う。
記録と、そして自戒のために。


 

・対話が(今)できない
怒っていたり、混乱していたり、
生理的な嫌悪感とか、諦めとかいろいろな理由で私と対話しようとしない人はいる。
嘘ついたり、相手を黙らせようとしたり
対話するフリとかしない分、まともな人だな〜とは思う。
けれど、相手からのアクションがないので、
対話のチャンスを逃さないようにしようと思って、つい追い詰めてしまう。

・言葉が通じない
私はカラオケが好きじゃないしゲームも興味ないし、そうはっきり伝えているのに。
カラオケ行きたい!一緒にゲームしよう!と3回誘ってきた。
どうやって意思疎通したらいいのかわからなかった。
こちらからの「リアクションがあること」に反応しているので、
テンプレやスタンプなど、最小限の返事を続けることが、お断りの意味として伝わる。

・全く相手に興味がない
すごくたくさんわーっと話す、にぎやかな人で、他人に興味がない。
10年来の知り合いで、コピーバンドもやってる人に対して、
「音楽好きなんだっけ!そんな印象ないなー!」などと言っていた。
横で聞いていて、さすがに笑ってしまった。
笑われても気にしていない。

・他人のことを暴露する
「知り合いに紹介する」と言いながら、
単なる私のプライベート情報を人に言いふらしていた。
共通点が見出せないような、変な情報ばかり伝えるので、誰とも仲良くなれなかった。
むしろそれを聞いた相手は引いていた。
そうやって、私を囲い込んで、群れの仲間にしようとしているようだった。
私が仲良くしたい人は私が選ぶよ、と主張したら喧嘩になった。

・分からないことを分かると言う
「ドイツ映画」とか「熱帯フルーツ」みたいな
大きなジャンルの話にはノってくるのに、具体的なことは全く話さない。
違和感があって、相手の考えを引き出そうとしたら、
「うちらの感性が同じなんだよ〜」みたいな言葉で誤魔化された。
仕事や面接じゃあるまいし、知らないことや分からないことを分かっているフリするメリットなど全く無いから、プライベートでそんなことする人いないと思って、油断していた。
いた。結構たくさんいた。

・分からないことを分からないと言わない
私が話していることに、「そうっすね」「まあね」「せやな」「それな」と、
相槌を打っているが、ただ聞き流しているだけ。
分かっていないなら、質問したり、話を止めたりしてほしいのだが、しない。
そういう人と、対話を続けるのは本当に難しい。
何を話したらいいのかわからない。

・関係性を断定する

「私たち親友だよね」
「ビジネスパートナーじゃなくて、友達関係になりたい」とか言う。
判断基準がわからなくて困った。
文字だけ見ると、セフレの別れ話っぽい。趣がある。

・怒られることに慣れすぎている
話をするつもりはあるが、
相手の発言を、ほとんど「責められている」「怒られている」と受け取る。
かつて私もそうだった。
「頭良いね」と言われたら、二言目にはののしられると思って身構えていた。
でも、私には他の人の問題は解決できない。

・相手を試す
料理とかお酒とか、明確に好みがあるのに「オススメありますか」と言う。
「あなたが私に食べて欲しいもの」と言って料理を注文している人もいた。
リクエストではなく、ただ相手を試しているだけなのだが、失礼なことだと思っていないようだ。

・自分の「言いたい」欲を満たすために言葉を使う
「体、重そうですね」とか「剛毛ですね」とか、わざわざ本人に言う。
「背、高いね」とか「肌、白いね!何か特別なことしてるの?」とかとも似ている。
言ったらダメだよ、といわれていることを果敢に言う。


2021年8月29日日曜日

李琴峰作品の潔癖さについて考えたことメモ

この文章を書いているのは、
日本国籍を持ち、日本語を第一言語として育ち、
上京して正社員として働いている、修士号を持つ健常者である、
ということを念頭にお読み下さい。

李琴峰作品には、ザラリと残る後味がある。
ポリティカル・コレクトネス的正しさとか、正義感が強いとか、
説教くさいとか、綺麗事だとか言うこともできると思う。
これについて、うまく説明できないでいた。
李琴峰ファンとして、彼女の言葉を聞いたり読んだりして、
いま、やっと説明できそうなので、ここにメモしておく。

1、差別に理由はない
2、マジョリティの特権は認識しにくい
3、差別の中から生き残れるのは、ラッキーな人たち





1、差別に理由はない

「人権は大事だ」とよく言われているということは、つまり、
私が生きている社会は、人権が大事にされていない社会である、と思う。

日々の生活の中には「あ、私今、相手から大事にされてない」とか、
「勝手にカテゴライズされて笑われてる」とか「理不尽な目にあっている」と思うことが多い。
タクシーの運転手に、答えたくないプライベートな質問をされた時や、
自分の意見が全く反映されていない議事録を読んだ時や、
ニュースアプリに登録したら女性だというだけでアパレルのプレスリリースばっかり届いた時や、
保険屋や不動産屋が、自分の希望を全く無視した商品を紹介してきた時や、
趣味を他人に笑われた時や、
甘いものが嫌いなことを「意外だ」と言われた時や、
血液型占いなんかを引き合いにして「O型っぽい」とか言われた時などが、そうだ。

李琴峰作品の登場人物は、賢く正しい。そして差別されている。
この2つは両立する、ということをしっかり理解する必要がある。
差別してもいいとカテゴライズされてしまった人たちは、
ただ生きているだけで、犯罪者とされたり堕落者とされてしまう。
差別する理由などないし、あってはいけない。
このことを書き止めているのが李琴峰作品だと思う。


2、マジョリティの特権は認識しにくい

自分がマジョリティに所属していることは、非常に認識しづらい。
これについては、上智大学の出口真紀子教授の記事が素晴らしいので、下記をご確認ください。
https://www.jinken-net.com/close-up/20200701_1908.html

そして、差別しているマジョリティを認識するのも、同様に難しい。
以下に自分の体験を記しておく。

私が学生の時から、東京出身者による、
千葉や埼玉、北関東や、東北出身者への侮蔑を目にしていた。

私は長く、千葉・埼玉・北関東・東北出身者の特徴だと思っていた。
「何で茨城の人たちはこんなに、卑屈なんだろう…?」
「埼玉の人たちがいうダサイタマって何? 私そんなこと言ったことないのに…」
「なんで自分の出身地をそんなに卑下するんだろう?」などと疑問に思っていた。

東日本大震災のときも、そう思っていた。
震災から1年後、福島県出身の友人2人が、
最近2人だけで頻繁に会っているらしいと、耳にした。
「福島出身者だけで話したいことがある」という理由だった。
その時私は、身勝手にも、仲間外れにされて嫌だなと思った。

ほとんど東京に出荷するために農作物を作り、電力を作ってきたのに、
原発事故が起こると、「汚染されているから要らない」と拒否される。
この問題も、私はどうしても差別と結びつけることができなかった。
多くのメディアや識者は、きちんと理解し発信していたと思う。
だけど私はよくわからなかった。
なぜなら私は、
卑屈で劣等感が強く差別され続けている人々をたくさん見てきたけれど、
差別している東京の人を認識していなかったからだ。

李琴峰作品に強い正しさを感じるということは、
自分の、無知でいられるマジョリティ特権を指摘されて不愉快だからだと、考えられる。


3、差別の中から生き残れるのは、ラッキーな人たち

差別する理由がないのと同様に、
差別されている人が生き延びるのにも、理由はないと思う。

理不尽な目にあったり、侮辱を受けた時に、
自分を癒し、また明日も生きようと思うためには知識が必要だ。
きちんとした知識を得るためには、
それなりの収入と、健康な精神と、文化的な経験も必要だと思う。
それよりも大事なことは、運が良いことだと思う。

運良く素敵な友人に出会えたことや、
幸運なことに自分の居場所があると感じることができたり、
幸いにして良い大人に出会えていたりすることなどである。

李琴峰作品は、差別から生き残ることができそうな人々を描いていると思う。
だから、運が良いのだ。
運が悪い人は、差別を受けたら生き残れない。

2021年2月6日土曜日

『私たちには言葉が必要だ』へのオマージュ

 最近、トークアプリでいろんな人と話をしているのだが、
私が思っているより多くの女性が、
「男性と話すのが怖いと思っているけれどうまく説明できない」
「男性と話しても楽しくないけど、原因がわからない」と感じているらしい。

かくいう私も、
いま私は女性蔑視を受けている!と認識できたのは、本当に最近のこと。
そういった場面には、きちんと対応したいと思いながら、なかなかうまくいかない。
今でも、アレは何だったんだろう? 怒るべき出来事だったんじゃないか?
と、何日も考え続けてしまうこともある。
そういった話を友人たちとすると、
「こういう言葉があるよ」「それってまさに◯◯だね」と言語化を助けてくれる。
そんな素敵な友人たちの知恵を少し整理したい。

ちなみに、イ・ミンギョン『私たちにはことばが必要だ』(タバブックス)は、
非常にレベルが高いのですが、以下に挙げるのは入門レベル。
すぐに使える実践的な表現を集めていきたいなーと思っています。
言いやすいものから並べています。


第一校 2021.02.04.
第二校 2022.06.23.
第三校 2023.08.24.


1、自分の立ち場を表明する
・私、今フェミニズム勉強してるんです
・私、フェミニストです
・私、そういうの詳しいですよ

2、相手に再考を求める
・それってどういう意味ですか?(万能)
・それ疲れませんか?
・どこが面白いんですか?
・へえ〜、✖️✖️さんはそう考えてるんですね。(名前を呼ぶのが重要)

3、相手の行動が間違っていると指摘する
・アウトです/それはアウトでしょ
・ペナルティーです
・お店が違いますよ
・そういうサービスはやってません

4、自分の気持ちを言葉にして伝える
・嫌だなって感じます
・辛い気持ちになります
・私の話に興味ないんだな、と感じています
・今言った「結構です」の意味は、「結構です」ですよ(万能)

5、相手の望み通りにはしないと明言する
・私はあなたのトロフィーじゃないです
・いま私が、慰めたり褒めたりするのは、違うと思います
・あなたのお金でお酒は飲みません
・私に合わせなくて大丈夫です

6、まったく違う話題を振る
・ところで、私最近気に入っている俳優がいてね...。
・それより、私の飼ってる犬の写真見てくださいよ〜。

2020年10月13日火曜日

33歳になってやっと、キレイになりたい!と言えるようになった。






 ■うっかり問題を認識

性に関して楽しく話す・考えるワークショップ「あも会」に、
主宰の友人に誘われて何回か参加しています。
2020年6月のテーマは、「コンプレックス」でした。

参加者がそれぞれ、
自分のペニスが他の人より小さいと感じる、とか
普通より体毛が濃いのが恥ずかしい、とか
緊張しやすくてED治療中だ、とか
色々話している時に、私も、自分の身体について思っていることを話しました。

私は子供の頃から、よく、母親と兄から「デブ」とか「ブス」とか言われてた。
悔しいから、痩せようとしてご飯減らしたり、
お洒落しようと思って可愛い下着を買ったりすると、
「どうしたの? 色気づいちゃって。気にしてたの?」と笑われる。
なので、私は「デブ」で「ブス」でいることが期待されてるんだと思っていた。
「痩せたい」とか「可愛くなりたい」って思ってはいけない、言ってはいけないとずっと思っていた。
この問題は、まだ、解決できてない。

こんなことがするすると口から出てきて、私が驚きました。
ずっと心の中にあったものが、ついに、
解決する時がきたのかもしれません。

■過去を振り返る
そういえば、昨年、スポーツジムに入会するときに
スタッフの方に「ダイエット目的ですか」って尋ねられて、
大きな声で「違います!」って言ってしまいました。
どうしてそんなに強く否定しなきゃいけなかったんだろうって、ずっと心に引っかかってました。

断食も、運動も、銭湯も、サプリメントも、健康の為なら何でも楽しく挑戦しているのに、
キレイになるためや、痩せるためは、お金も時間も使ってはいけないと思っていました。
そういえばこのブログの過去の記事でも、「健康になりたい!」としか言えませんでしたね。

人に「目が大きいくていいな」とか「肌キレイだね」って褒められるのも嫌でした。
化粧もしなくて、日焼けもしないだけなので、
そんな表面的なこと言われても、どう反応して良いのか困り果てていました。
スタイルが良くなくても、可愛くなくても、
実力で認められないと意味がないって、無意識に思ってました。
何の意味だよ(笑)

■キレイになりたい!って言えた!
で、この問題を認識して一ヶ月後ぐらいに
「あも会」主宰の友人に、感謝と、
そして改めて、キレイになりたい!って伝えました。

そしたら間髪入れず「キレイになりましょう!」と応えてくれました。
素晴らしい人だ!!!

■エビデンスと感覚はどっちも大事
この夏、美容初心者のブログやSNSなど、大変参考にさせていただきました。
頭で納得しないと行動に移せない頑固な美容初心者が、
まず最初に何を考えていたのか、誰かの参考になればと思って、ここに記しておきます。

そもそも、人体に「効果」があるものは、医薬品だけです。
人は、想像以上にネット上の雑な情報を既に摂取してしまっているので、
栄養や美容に関しての誤った知識を矯正する必要があります。
栄養学や筋トレに関する書籍を買い求めました。
とはいえ、エビデンスを求めすぎると、勉強だけで人生が終わってしまいそうです。
エビデンス以外の、自分の感覚に頼ることも大事だと考えています。

1、効果が現れるのが遅いものから取りかかる
2、自分の五感を信じる
3、あんまり好きじゃないものの成分を調べる
4、とりあえずオーラルケア

1、効果が現れるのが遅いものから取りかかる
皮膚の細胞が入れ替わるのには約1ヶ月、
体内の細胞がだいたい入れ替わるのには、約3ヶ月かかると言われています。
禁煙や筋トレも3ヶ月続けてみよう、って言われている所以だと思います。
でも、慣れないことを3ヶ月続けるって結構大変です。
一方で、骨代謝は3〜5年かかります。人体で一番代謝が遅いものです。
まずは、1日でも早く、骨から取りかかろう!

逆に、1週間や2週間で効果が出るものは、
その前の状態が悪すぎたり、
摂取する栄養が偏っていることを疑った方が良いです。

2、自分の五感を信じる
脳みそで理解していても、
どうしてもやる気が出ない、なぜか続かない、ということもあります。
そんな時は自分の知覚能力を信じることにしています。

ちなみに、私は、
はっきりした色遣いや、質量を感じるフォルムが好きです。
ドライヤーの音がどうしても苦手で、使いません。
私は香りの好き嫌いがはっきりしているので、洗剤も化粧品も、香りで選んでいます。
サラサラパウダーも、モッタリしたクリームもどっちも苦手です。
オーラルケア用品は、低刺激で、あまり味がしないものが好きです。

3、あんまり好きじゃないものの成分を調べる
人に勧めて買ったり、人からもらったものもいくつか持っています。
その中で、かぶれたり、ピリピリしたりするわけじゃないけど、
なぜか最後まで使い切れなかったもの、
なんだか使うのを忘れてしまうものを、避けてみようと思いました。

ちなみに私は、
なかなか使い終わらないもの共通点として「スクワランオイル」がありました。
全部ホホバオイルのものに買い換える予定です。

4、とりあえずオーラルケア
口臭について指摘してくれる人は、基本的にいません。
解決して困ることはありませんし、気にしすぎぐらいがちょうど良い、と思います。
安価なものでもいいので、
常に2、3種類のオーラルケア用品を買っておいて
飽きないように、毎回組み合わせを変えながら楽しんでいます。